1-30

 中3の夏に、童貞を卒業してから、何十人とやったのだろうか。

覚えてない。

俺に抱かれたがってる女を抱いてきた。

超胸がデカイ女や、フェラが神業的にうまい女や、喘ぎ声がAVっぽい女。

いろんな女がいたけど、なんの思い入れもなかった。

感覚的には、スポーツするのと一緒。

いい運動。

とりあえず、気持ちいいセックスができりゃそれでいい。 

そんな感じ。


俺は、モテる。

中学、高校と、かなりの人数に告白されてきた。付き合って下さいって。

付き合うってなんだろう。

俺は、彼氏彼女って関係に縛られるのは、すごくイヤだった。

だから、何回かセックスしたり、遊びに行ったりはしたけど、付き合ってるって思ったことは1度もなかった。

だから、俺としては彼女って呼べる人はいなかった。

相手の方は、俺を彼氏だと思ってたって感じで、もめたこともいっぱいあったけど。

俺の中では、俺に好意を持って、言い寄ってきた女を抱いてやっただけ。

そんな感覚。


こんなにも、長い間、一人の女を飽きずに抱いたことはない。

飽きるどころか、どんどんハマっていく。

こんなことは、初めてだった。


「桂吾!ありがとう!」 

「だから、そこは、桂吾!大好きだろ!」

「必ず言うね!私は、本当にありがとうって思ってるよ。桂吾のお陰で不安定ながらも、保ててるから」

「保ってるだけかよ?俺と付き合えば、安定すんじゃね~の?」

「あはは」

彼女は笑っただけだった。


俺がおまえなしじゃ、いられないって思ってるように、おまえも俺なしじゃいられないって、そう思ってくれてはいないのだろうか……

おまえのカラダが、俺を求めてるんじゃないのか?

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