1-26

 最近は、彼女とラブホに行く頻度が増えた。

でも、あんまり彼女の出費を増やしたくなかったから、泊まりじゃなく休憩にした。

食事もコンビニで食べ物や酒を買って行くことが多くなった。

彼女もそれでいいよ!って了承してくれたし。

それだと、バンド練習とかも遅刻するくらいで行かれたから、俺も都合が良かった。


「ね~、同い年ならさ、けーごは何が好きだった?ヒーロー物」

聞かれた意味がよくわからなかった。

「ひーろーものって何?」

「は?だから、仮面ライダーとか、ウルトラマンとか、戦隊ものとか」

「あぁ!そうゆうのヒーロー物って言うのか」

彼女の口から、そんな話題が出ることが、まず意外だった。

「あんま、興味なかったなぁ!小学生の低学年の時に、ウルトラマンアルファかな?見てたような気がするけど」

「あっ!そう!アルファ見てた?私もアルファ好きだった!

アルファの時って、めちゃめちゃ強い敵が現れてさ、兄弟たちみんな石にされちゃって、父が助けてくれたんだけど、身代わりになって死んじゃったの~!超泣いたよ~!」

すごく早口で話した。

「アハハハハ!何?そのテンション!面白っ!

マジで酒入るとだいぶ人格変わんな!」

「ええ~!お酒飲んでなくたって、ヒーロー物の話は語れるけど!」

「アハハ!俺がアルファを覚えてんのは、確かあれって、男と女が合体して変身してんだよな!

どの部分に女入ってんだよ?合体ってエロいな~!って」

「ちょっと!バカじゃないの?小さい時から変態じゃん!」

彼女は、ムッとした顔をした。

それも、なんだか可愛かった。

「おまえ、アニオタかよ?」

「アニメじゃないから、アニオタじゃないよ!」

「確かに!」

「一番ハマったのが、ジャダン!ジャダン知ってる?」

「あ~、あったな!俺は見てないけど、なんだっけ?宇宙?宇宙警察ジャダンだ!」

「そうそうそう!もう、ほんっとにかっこよくて!必殺技が剣で切るんだけど、超かっこよくて!私もジャダンになりたいってさ!刀で戦うってのに憧れて、剣道部に入ったんだ~!」

「アハハハハハハハハ!!!!マジかよ!」


ツボにハマった。

ずっと、笑いこけてしまった。


「面白っ!!ジャダンから剣道って、その発想ないわ~!

どうゆうふうに飛躍させればそうなるんだ~!

アハハハハ!おまえって、なんか、物静かなお嬢さんだと思ってたけど、かなりヤバイ奴だな!」

「ヤバイ奴って何よ~!失礼!」

「酒入ると、だいぶ変な奴になるな!ってゆうか、普段それを出さないだけで、これが本来の性格だろ?」

「ちょっと~!変な人呼ばわりしないでよ!こんな話、誰ともしたことないよ!けーごが同い年だって言うから、ほんとかな~って疑ってみただけ」

真面目な顔をした。

「マジか?その発想もないわ~!

同い年か確かめんのに、ヒーロー物の話かよ!

ってゆうか、おまえが一人で喋ってただけだしな!超オタッキーだし!その話についてける奴いね~だろ!

元彼、同級生だっけ?ヒーロー物の話してたのかよ?」

「しない!しない!アハハハハ!そんな話する女、引くよね~!」

「あぁ!引くな!アハハ。じゃ、彼氏の前じゃ猫かぶってたんだな!」

「猫かぶってたってこともないけどさ~、そんなどうでもいい話はしなかったよ!」

「じゃ、なんで今俺にはどうでもいい話してんだよ!」

「あっ!ほんとだね~!アハハ!

けーごだって、こんなどうでもいい話されてもつまんないよね。ゴメン!ゴメン!」

「アハハハハ!どうでもいい話いっぱいしろよ!割りといつも、おっとり系なのに、超ハイテンションで面白いわ!」

「あぁ!どうでもいいバカ話したら、超喉渇いた~!」

「ビール終わっちまったな!缶チューハイでいい?」

と、買ってきたビニール袋から取り出した。

「あっ!それ、けーごが飲みたいって言ったやつじゃん!私、お茶でいいや」

「じゃ、半分こしようぜ!」


缶チューハイをあけ、口に含んで、口移しで彼女に飲ませた。


「あっ!これ甘くておいしい!」

そう言うと、今度は彼女が俺に飲ませてくれた。

「あぁ!甘いな!たまには甘いのも悪くないな!」

飲ませあいっこを何回かして、そのまま彼女の首筋から胸に舌を滑らせた。

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