1-24

 プッププーーー!!

「桂吾!お!そ!いー!」

駐車場に行った途端にクラクション鳴らして、デカイ声で俺を呼んだ。

だから!!

こうゆう行動すっから、誤解されんだろ!

ねーちゃんの、真っ赤なアルファロメオに乗り込んだ。

「ねーちゃんさ~!あんま目立つ行動すんなよ!」

と俺が言うと、

「何が?」

って言いながら、バッグにスマホをしまって、ポイっと雑に助手席の俺の膝の上に放り投げた。

「俺と、ねーちゃんが付き合ってるって、駅ビル内で噂になってるらしいからな!」

「ああ~~!それね!私も店の子に聞かれたわ~!彼氏なんですか?って!

そうよ~!って言っといたわ!アハハ」

「おい!そうよ~!じゃね~よ!否定しとけよ!!」

俺がそう言うと、ねえちゃんは大笑いした。

「アハハハハ!その子、桂吾のファンらしくてね~、杏那さんが彼女じゃ、無理ですね……って言ってたわ!アハハ」

「アハハじゃね~よ!俺のファン減らしてんじゃね~よ!」

「ハイハイ!じゃ、気をつけま~す」

「マジで!」

「それで?何 困ってるって?」

「困ってるってゆうか……

やっぱいいや!ねーちゃんに言うことでもね~から!」

「何よ?それ!気になるじゃん!

金?金 借りたいの?」

「いや!いい、いい!とにかく、旨いもん食いに行こうぜ!ねーちゃんのおごりで!」

「ちょっと~!たまには桂吾がおごったっていいんだからね!まぁ、私の方がお金は持ってるから、おごってあげるけどさ~!何食べたいの?」

「ふぐ」

「また~?ふぐ好きだね~!前に行った店でいい?それか、もう一軒 知ってるけど」

「違う店に行ってみたい」

「じゃ、とりあえず向かうよ!」

と車を発進させた。

「何?デートに使おうとしてんの?」

「まぁ、そんなとこ」

「あっ!そう言えば!あのバーに女連れて行ったって?遊びの女をあんなとこに連れて行ったら、本気にするよ!」

「本気の女だから!」

えっ?ってこっちを向いたから、前を見ろよ!って、アゴをつき出した。

「何よ~!彼女できたの?ちゃんと報告しなさいよ!」

「彼女じゃね~よ!」

「はっ?片思い?」

「アハハハハ!片思いなんて言葉、久々に聞くな~!さすが、昭和だな!」

「失礼ね!平成だわ!ちょっと~!マジで聞いてんの!」

「気持ちを落としたいって思ってる女だよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る