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プッププーーー!!
「桂吾!お!そ!いー!」
駐車場に行った途端にクラクション鳴らして、デカイ声で俺を呼んだ。
だから!!
こうゆう行動すっから、誤解されんだろ!
ねーちゃんの、真っ赤なアルファロメオに乗り込んだ。
「ねーちゃんさ~!あんま目立つ行動すんなよ!」
と俺が言うと、
「何が?」
って言いながら、バッグにスマホをしまって、ポイっと雑に助手席の俺の膝の上に放り投げた。
「俺と、ねーちゃんが付き合ってるって、駅ビル内で噂になってるらしいからな!」
「ああ~~!それね!私も店の子に聞かれたわ~!彼氏なんですか?って!
そうよ~!って言っといたわ!アハハ」
「おい!そうよ~!じゃね~よ!否定しとけよ!!」
俺がそう言うと、ねえちゃんは大笑いした。
「アハハハハ!その子、桂吾のファンらしくてね~、杏那さんが彼女じゃ、無理ですね……って言ってたわ!アハハ」
「アハハじゃね~よ!俺のファン減らしてんじゃね~よ!」
「ハイハイ!じゃ、気をつけま~す」
「マジで!」
「それで?何 困ってるって?」
「困ってるってゆうか……
やっぱいいや!ねーちゃんに言うことでもね~から!」
「何よ?それ!気になるじゃん!
金?金 借りたいの?」
「いや!いい、いい!とにかく、旨いもん食いに行こうぜ!ねーちゃんのおごりで!」
「ちょっと~!たまには桂吾がおごったっていいんだからね!まぁ、私の方がお金は持ってるから、おごってあげるけどさ~!何食べたいの?」
「ふぐ」
「また~?ふぐ好きだね~!前に行った店でいい?それか、もう一軒 知ってるけど」
「違う店に行ってみたい」
「じゃ、とりあえず向かうよ!」
と車を発進させた。
「何?デートに使おうとしてんの?」
「まぁ、そんなとこ」
「あっ!そう言えば!あのバーに女連れて行ったって?遊びの女をあんなとこに連れて行ったら、本気にするよ!」
「本気の女だから!」
えっ?ってこっちを向いたから、前を見ろよ!って、アゴをつき出した。
「何よ~!彼女できたの?ちゃんと報告しなさいよ!」
「彼女じゃね~よ!」
「はっ?片思い?」
「アハハハハ!片思いなんて言葉、久々に聞くな~!さすが、昭和だな!」
「失礼ね!平成だわ!ちょっと~!マジで聞いてんの!」
「気持ちを落としたいって思ってる女だよ!」
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