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「悠弥!わりー!」
「わりーじゃねーよ!ドタキャン何回目だよ!」
「悠弥に対しては、3回目かな?」
「3回目かな?じゃねーよ!
今日は、ちゃんとしっかりとした言い訳あるなら聞かせてもらうからな!」
キレ口調だった。
昨日、悠弥を迎えに行って、一緒にジムに行く約束だった。
それをすっかり忘れていて、キャンセルの電話をしたのが、約束の時間を過ぎてからだったから、だいぶ悠弥は怒っていた。
「正直に言うよ。好きな女ができた。
だけど、デートの主導権は向こうにある。
彼女が今日って言ったら、今日!先に入っていた予定をキャンセルしても、彼女と会いたいんだ!」
真剣な顔で言った。
悠弥は、呆気にとられたような顔をした。
「それ、まずいだろ!相手が俺だから、軽くドタキャンして、女を優先したんだろうって思ったけど、これバンド練習とかでもドタキャンするのかよ?
あっ!あー!!そう言えば、こないだ具合い悪いって、練習来なかったことあったよな?まさか、あれもそうだったのかよ?」
「あぁ、そう」
「なんだよ!!ふざけんなよ!こっちは、みんなで心配してたってゆうのに、女とパコパコかよ!あー?」
デカイ声を出した。
「わりー……マジで……」
「で!今度から、ドタキャンしないって誓えるのかよ?」
「誓えない」
「あっ?」
ギッと睨んだ。
「たぶん、誘われたら……たぶん、彼女を優先する」
「おまえ!!ふざけんなよ!」
「だよな!わかってるよ!でも、どうにもできない!」
「遊びの女じゃねーのかよ!のめり込んでんじゃねーよ!」
更にデカイ声で怒鳴った。
「……それも、わかってる……」
俺は、小さく答えた。
沈黙が流れて、
「ふ~~!わかった!じゃ、いいや!
できるだけドタキャンはするな!
でも、無理なら俺には連絡しろ!どうにかフォローするから!大輝と瞬にはぜって~言わね~方がいいぞ!」
「悠弥サンキュー!」
「でもさ、付き合ってるわけじゃないんだよな?おまえを振り回すって、相当遊んでる女だろ!
おまえほどの男がなんで振り回されてんだよ!」
「彼女は……今まで出会ったことないタイプで、俺を振り回してるつもりは全くないと思う。
俺が彼女と一緒にいたいって、そう思っちゃってるだけ」
「ふ~~ん。俺、おまえと中学からずっと一緒にいるけど、おまえがそんなこと言うの初めてだな。じゃ、友達として応援するよ!
バンドメンバーとしては、マジで呆れるけどな!ははは」
悠弥は、笑顔で、俺の肩をポンポン叩いた。
「わりー!悠弥!できるだけ迷惑かけねーようにするから!」
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