1-17

 今日は、バイト終わりで彼女と居酒屋で軽く飲んで、ラブホへ行った。


一発終わって、いつもの雑談。

「なぁ、いつも思ってんだけど、おまえ声デケーよな!」

と、笑って言ってみた。

「えっ!そうなの?……自分じゃわからないけど……他の女の子と比べて大きい?」

「あぁ!すげーガンガン声出しまくってんじゃん!」

俺がそう言うと、彼女は耳まで真っ赤になって下を向いた。

「そうなんだ……そうゆうの自分じゃわからないから……じゃ、ガマンしてあんまり声出さないようにするね」

と、恥ずかしそうに言った。


ん?ガマン?って?

あっ!

「アハハハハハハハハ!」

意味がわかった。

「ガマンって!!アハハハハ!!

そっちの声じゃね~よ!!アハハハハ!!」

「えっ!何?」

「俺が言ってんのは、“いらっしゃいませ” と 

“ありがとうございました” の声!アハハハハ!何 勘違いしてんだよ!」

「えーー!!ちょっと!!バカじゃない!!

完全にハメたでしょ!」

と、怒ってる。

俺は可笑しくて、可笑しくて、笑いが止まんなかった。

「マジで!マジで!マジで!全然、そんなつもりなかった!アハハ!!ほんと!ほんと!

なかなかあれだけの接客できね~な!!って思ってたのを言っただけ!

何 赤くなってんだよ?って思ったら、あっちの声のこととはな!いい接客だなっつ~話」

「バカけーご!」

「アハハハハ!バカけーご!って、ひで~な~!」

「声が、おっきいのはさ、部活で散々声出せ!!声出せ!!言われてきたから、なんか大きい声出すのに慣れちゃってるだけ」

「へぇ~!何部?」

「剣道」

「へぇ~~~!剣道か!あぁ、っぽいっちゃ、ぽいな!袴とか似合いそう」

想像してみた。

清楚で凛とした袴姿が容易に想像できた。

「それで、男子の後輩もいるんだな。何人か、花屋に来て話してたじゃん!」

「あぁ、うん!」

聞いてみるか、

「元彼は?剣道部?」

「ううん。バスケ部」

「あぁ~~バスケな~~!チャラい系の代表格だな!バスケ上手いと、なんかモテるんだよな!

まっ!そんな話は、置いといて、じゃ、さっきの話に戻って、どれだけ声ガマンできるのか、試してみようぜ!アハハ!」

「バカけーご!」

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