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なんだか、本当に忙しい毎日だった。
大輝に、ギターもっと練習しろって言われてしまったから、やらなきゃだし。
新しいバイオリンの先生は、キレイ系だけど、すごくあたりがキツイ。
宿題をいっぱいだされる。
だから、家でも毎日やらなきゃだし。
曲も、なんとなく3曲くらい書けそうなふんわりとした構想はあるけど、家で落ち着いて仕上げる余裕がない。
マジで忙しいんだけど!
忙しいけど、毎日バイトに行った。
彼女に会いたかったし、彼女から誘いがくるのをいつも待っていた。
食事だけの時もあれば、酒を飲みに行くだけの時もあった。
だから、毎回セックスするわけでもなかった。
ある日、ホテルでテレビを観ていて、山梨県のどこだかのひまわり畑が映ったのを見て、
「わぁー!すごいね!元気をもらえそうだね!」って、彼女は独り言のように言った。
「行く?」
って俺が聞くと、えっ?って意外そうな顔をして、
「行かないよ!それって、デートになっちゃうじゃん!私、けーごの彼女じゃないから」
と言った。
どうゆう線引きなのか、よくわからなかったが、デートらしいことはNGだった。
“”私、けーごの彼女じゃないから“” とよく言う。
「俺の彼女になりたいの?」
って言ったら、大笑いして
「まさか!!やだよ!こんな彼氏!!
アハハハハ!私、ただのセフレでしょ?」
「セフレ?……」
セフレだなんて、考えたこともなかった。
「そんな風におまえを思ったこと、1度もねーから!!」
「そっ?私は、そう思ってたけど」
サバサバしたような軽い感じでそう言った。
セフレって、セックスだけの関係だろ?
俺はおまえのカラダだけほしいんじゃないんだけどな……
それは、言えなかった。
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