1-15

 この間、大輝と飲んでから、少し酒をセーブしてる。

いや~、マジで。

どのくらい飲んだんだ?

8時から飲み始めて、11時くらいまでははっきり覚えてる。

大輝が、次の日仕事だから、12時には帰ろうって、あと1時間飛ばすぞ!って。

そこから、全く覚えてない。

ばあちゃんの話だと、1時過ぎに帰ってきたって。

タクシー待たせて、大輝が俺を降ろして、2階の俺の部屋まで連れて行ってくれたって。

遅くなってしまって、すみません。おやすみなさい。

って礼儀正しく帰って行ったそうだ。

全然覚えてない。

覚えてないって、こえ~な……気をつけよう。


って思っていたら、

「今日、飲みに行ける?」

って、彼女に誘われた。

「OK!」

って答えた。

彼女と飲んで、俺がつぶれることは100%ないだろうし。


待ち合わせのコンビニで、

「おつかれ~!どこへ飲みに行く?」

って聞くと、彼女は、

「飲みに行こうって言ったけど……抱いてほしいの……」

と小さな声で言った。

えっ?マジか?

「了解!」

コンビニで、酒や食べ物をいろいろ買って、ラブホへ行った。

俺の方も、彼女を抱きたくてウズウズしてたから、彼女からの誘いはマジで嬉しかった。


この子とのセックスは、本当に興奮する。

他の女と、何が違うんだ?

そんなに大きくない胸は、俺の手のひらにピッタリおさまる感じ。

使い古されてないって感じのピンク色の乳首は、敏感で感じやすい。

鎖骨がキレイ。

白い肌を滑り落ちていくと、溢れるくらいに濡れていて俺を迎え入れてくれる。

俺の大きさに合わせたようなサイズ感。

キツく締め付けてくる。

よがる声も、あえぐ声も、俺をいっそう興奮させる。


俺は、そこらの一般男性よりも経験豊富だ。

何十人とやってる。

その中でも、これほどピッタリだと感じたことはなかった。

シンデレラのガラスの靴じゃねぇけど、俺にピッタリの器なんじゃねー!?

肌を重ねる毎に、より一層、そう感じるようになった。


それと、一発終わった後にベッドで横になってする会話がいい。

彼女が “どうでもいい話” と言うその話は、ごく普通の女の子の日常が垣間見れて楽しい。


「ゆきちゃん、短大は何を勉強してんの?」

「経済!」

「経済って何をやってんの?」

「よくわかんないことだよ!これ、なんの役にたつのかな?って感じ」

「ふ~ん。まぁ、俺は馬鹿だから、説明されても、どうせわかんね~だろうな!」

「アハハハハ!同類!私、おちこぼれのダメ学生だから!」

そう言って笑った。

「えっ?頭良さそうじゃん!」

「えっ?良さそう?どこが?」

「どこがって、なんとなく?」

「アハハハハ!去年さ、彼にフラレて1ヶ月くらい学校行けなくてね。前期の試験も散々だったから、いっぱい単位落としてね……

必修科目も落としちゃったから、今、1年生と一緒に講義うけてるやつもあるし。

おちこぼれのダメダメ学生だよ」

「そうなんだ~」

意外だった。

彼女は、典型的な優等生って感じがしていたから。

いや、真面目な優等生だったのだろう。

4年半付き合って、遠距離になった途端にフラレたって。

彼女にとって、すべてを無くしたくらいの衝撃だったのかもしれない。

普段明るいのに、ものすごく落ちてる時がまだある。

元彼の話は、詳しく聞いたことないけど、本当に傷ついたんだな。


「ゆきちゃん、一緒に風呂入ろうぜ」

「けーご、一緒にお風呂入るの大好きだね~!」

「あぁ。大好き!!1人で入るより、気持ちいいじゃん!ははは!」

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