1-13

 3月

 今日、卒業式の学校多いみたいだな。

俺ら高校卒業して1年経つんかぁ!

はえ~な~!


花屋の方を見ると、客がいっぱいいた。

今日は、忙しそうだな。

ん?そのわりに、さっきからずっと同じ客と喋ってねーか?

学ラン着て、バッグから卒業証書らしきものがのぞいている。

知り合いか?

作り笑顔じゃなくて、本当に笑ってる!

あんな顔して笑うんだ!!

高校の後輩か?

いかにもスポーツやってます!って感じの短髪だな。

でも、あんま日焼けはしてね~な。何部だ?

おっ、やっと帰った。

ん??

少し離れたところから、まだ彼女を見つめている。

「ふ~~ん!ハハハ」


客の流れが一段落したのを見計らって、彼女のところへ行った。

「おつかれ~!」

「あ~、けーご!おつかれ!」

「さっきの誰?」

「ん?さっきのって?」

彼女は、ぽかんとした顔をした。

「爽やか少年!高校生の!!」

ちょっと大袈裟に言った。

「あ~!高校の後輩だよ!」

「何しに来たって?」

「何しにって、花を買いに来たんだよ!

今日、卒業式だったって!彼女にプレゼントなんじゃない?」

にこっとした。

「ふ~~ん。違うと思うけどな!おまえに会いに来たんじゃね?」

「わたしに?って?」

「マジで鈍いな!おまえに気があるって言ってんの!爽やか少年!」

「はぁ?あはははは。それは、ないでしょ!

ちょっと今日忙しいから、けーごとバカ話してる暇ないんだから!じゃね!」

「はいはい」

と手を振りながら店に戻った。

あんな分かりやすくアプローチされてるのに、なんでわからないのか、逆に意味不だわ!興味ないってことだな。

ってゆうか、俺にも興味ないしな……


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