1-9

 「ゆきちゃん!おつかれ~」

「あっ、桂吾さんお疲れ様です」

いつもの挨拶を交わした。


「あれっ!ゆきちゃん髪切った?」

「えっ、揃えたくらいですけど、よくわかりましたね!学校でも、誰にも気づかれなかったのに」


そう言って前髪を少し気にするようにいじった。


「俺、観察眼鋭いの!」

「桂吾さんの髪の色、キレイですよね!」

「そう?いいかな?長いからさ、明るめの色にしとかないと重苦しく見えるからさ。

ゆきちゃん、ずっと黒髪?」

「そうです」

「ゆきちゃん、髪長いから、少し茶色い方が軽く見えていいと思うけどな」

「やっぱりですよね!私も、そう思ってるんですよ。でも、美容室が結構苦手で……

髪切るくらいの時間だったらいいんですけど、染めるなら、1時間以上ですよね?

ちょっと耐えられなさそうで……自分で家でやるのも、自信ないし……で、ずっと黒髪です」

ハハと照れたように笑った。

「じゃ、俺やってやるよ!」

「えっ?」

「俺、器用だから、やらせてみ!絶対、失敗しないから」

自信たっぷりに言ってみた。

「あっ、じゃぁ、お願いします」



 バイト終わりに、駐車場で待ち合わせして、髪を染めるやつや、食べ物、飲み物を買ってラブホへ行った。

たぶん、ほんとはこう言うの禁止なのかもだけど。


「じゃ、全部脱いじゃって!」

笑いながら言ってみた。

「えっ?裸じゃなくていいですよね?」

「アハハハハ!裸じゃなくていいよ!でも、そのブラウスとかスカートは脱いで!

汚れたら、落ちないからさ!バスタオル巻いてなよ」


風呂場で、買ってきた缶ビールを飲みながら、彼女の髪をとかし、染色剤を塗っていった。


「髪長いから大変ですよね?すみません」

申し訳なさそうに下を向いてる。

「俺、手先器用だから、こうゆうの得意だし!

全然大丈夫。後でご褒美待ってるし」

「ご褒美?」

「こっちの話。ハハハ」


2箱使って、長い髪全体に染色剤をつけると、髪を上に上げて留めた。

細くて白いうなじにそそられた。

あとのお楽しみで、もう少し我慢するつもりだったけど、後ろから彼女の両肩を掴んで首筋に舌を滑らせた。

彼女はピクッとすると、

「やめて!」

と、言った。

「やめない」

キスをしながら、バスタオルを外して押し倒した。

念入りに胸を愛撫した。

舌先で転がしたり、あまがみしたり。

ビールを口に含んで、口移しで彼女に飲ませた。


「そろそろいい感じになってんじゃね~かな~」

そう言いながら下に手を伸ばすと、思った通り

もうぐちゅぐちゅだった。

「ゆきちゃん!濡れすぎ!!

早く入れて欲しくてたまらない感じ?」

「意地悪なことばっかり言わないで!」

「ハハハハハ!」

その時、ピピピッピピピッピピピッ!とセットしてたアラームが響いた。

「20分たったから、髪流そう!ゆきちゃん続きはあとでね!濡れたままでいて!」

「バカ!!」


買ってきた袋から、シャンプーとコンディショナーを出してきた。

ラブホのシャンプーじゃ、髪が傷むかなって、わざわざ高いやつを買ってきた。

シャンプーをしようとしたら、それは自分でするからって、まぁそれもそっか!って、彼女がシャンプーしてるのを見ながら、風呂に入った。

どうかな?うまく染まったかな?

乾かさないと、色がよくわからないな。


風呂場から出て、ベッドへ移動した。

彼女の髪をドライヤーで乾かしながら、キスしたり、胸を触ったりした。

わざと、アソコは触れずに焦らした。


髪全体が乾いた。

ナチュラルブラウン!うん!いい感じの色になってる。

ドライヤーを止めて、静かになった部屋で彼女は、

「お願い……早く……してほしい……」

と小さく切ない声で言った。



 次の日の夕方

彼女がバイトに来ると、

「あれっ?ゆきちゃん髪染めたね!」

と、うちの店長が言った。

「へぇ~、ほんとだ!」

笑っちまった。

「何、半笑いしてんの?」

ツッコまれた。

「いや、似合ってんなって思って」

「うん!そうだね!似合ってる。あのくらい茶色くても、全然ヤンキーっぽくは見えないね。

逆に、大人っぽくなったんじゃない?

彼氏でもできたのかな~?」

「アハハハハ!かもな!」

彼氏か~。

笑っちまった。

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