第14話 家族を大切に

「男の子と女の子どっちが欲しい?」

 隣に寝ている彼女がそういう。

「んー、どっちもかな。欲張り?」

 彼女が笑う。可愛い。

「うんうん。私も。だからもっと頑張ろっか」

「うん」



「双子の男の子と女の子ですね」

「「双子!?」」

「はい」

 彼女と俺の子ができた。

 二人共欲しかった男の子と女の子どちらも。

 彼女は泣きながら喜んでいる。



「えーん。えーん」

 元気な声が聞こえる。

 赤ちゃんの。

「おめでとうございます元気な双子です」

 彼女は泣いている。

 俺も少し涙が出る。

 

「えーん。えーん」

 足の方から元気な声が聞こえる。

「おめでとうございます。元気な双子です」

 そう、助産師の人が二人を見せる。

 可愛い。

 涙が出てくる。



「「お父さん!お母さん!早く早く!」」

 息子と娘の呼ぶ声が聞こえる。

「待ってて、もうちょっとだから」

「出掛けるの楽しみだろうけどちょっと待っててな」

 俺は妹と結婚した。


 私は兄と結婚した。


 私は兄を愛し続け、

 俺は妹を愛し続ける。



 急に涙が出てきた。

 今までの日々の事を思い出して。

「急に何で泣いてるの?」

「今までの事思い出してさ。苦しい悲しい事も嬉しい楽しい事もいろんなことがあったなって。」

「確かにね」

 彼女の目からも頬へと雫が流れる。

「「お母さん!お父さん!遅い!」」

 息子と娘が俺らの所へ来た。

「何で泣いてるの?」

 息子の時(とき)がそう言う。

 それに娘の咲(さき)が頷く。

「えーっとね。お母さんとお父さんの秘密」

「「えー」」

 息子も娘、そして響も皆可愛い。

 家族を一番大切に、生きていこう。

 それが運命なのだから。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る