第2話 普通の…

「響あのさ昨日の事なんだけど」

「ごめん。学校行く。お兄ちゃんも早く行った方がいいよ」

 気遣ってくれたけど冷たい…

 また、冷たくしちゃった。でも、昨日の独り言のことは絶対お兄ちゃんに言えない。



「ただいま」

「おかえり」

 学校から帰ると響が待っていた。今日、一年生は一時間早く帰っていた。しかし、何故急に?

「響?」

「お兄ちゃん、今まで冷たくしてごめんね。これからは普通にする」

 私は冷たくするのを止め、「お兄ちゃん大好き!」まではいかなくても普通の妹という感じにすることに決めた。

「いや、響には何か事情があってやってると思うから、謝らなくてもいいよ」

 「普通に」ということは昔の「お兄ちゃん大好き!」まではいかないということだ。嬉しいけど昔みたいな響も見たいな。

「その報告だけです」

 響は何故か敬語でそう言うと自分の部屋に行った。


 あー私、超頑張ったなー。普通の妹に戻れるのか。これでお兄ちゃんとの距離も近づくかな?



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