神の創りし迷宮  打ち上げ 5

 ファーンの数値はレベルしか確認していない。そこから再確認する。

 写真でまたひと笑いあったが、ステイタスを確認する。ここからは、以前の数値と照らし合わせて確認していく。

ファーン・ストミー・ストーン・ユンダ

職業 探究者

レベル  3  →  3

力   98  →  102

体力  124  → 132

俊敏性 140  → 140

運    67 → 67

魔力    0 →  0

魔力適性  空欄

潜在性  SS →  SS

スキル  洞察眼


「微妙ね」

「微妙だねぇ~」

「だから、それで良いんだって!!」

「じゃあ、次あたしね!!」


 ミルが冒険者証を出す。

「うわ!コイツまたやりやがった!!」

「おお、可愛いな!」

「可愛い~」

 ミルの念写は、またしても可愛いポーズが決まっている。

「ってか、レベル!!」


ミル・アブローシア・レル・カムフィー

職業 盗賊

レベル 13  →  28

力  73  →  89

体力 377  → 477

俊敏性 195 → 332

器用さ 178 → 200

運   109 → 109

魔力  348 → 355

魔力適性  火

潜在性  S → S

スキル 盗賊スキル


「レベルの上がり方、凄すぎだろ!?」

「ええ?だって最初の奴、あたしが10歳の時のだもん!」

「って事は、仲間になった時には、13より上だったって事か?」

「でも、前の念写と、今のミル、あまり変わらなかったわよ」

「良いの!!ミルは早熟なんだから!!これからすぐに大人になるんだよ!!」

「・・・・・・次は私ですね」

 リラが強引に話しを切り替える。


「おお!リラもすごい上がり方してんな!!」

「ええ?!あ。ほ、本当・・・・・・。びっくりしました」

 リラ自身も驚く。


リラ・バーグ

職業 詩人

レベル  11  →  25

力   133  →  189

体力  168  →  208

俊敏性 145  →  166

器用さ 167  →  208

運   143  →  150

魔力  257  →  420

魔力適性  風 → 風・回復

潜在性  A  →  A

スキル 楽器演奏・歌唱 → 楽器演奏・歌唱・精霊魔法


「魔力!一気に増えてる!」

「うそ!?魔力適性に回復が増えた!」

「ってか、リラさん!スキルに精霊魔法が追加してます!!」

「ええ。それは鑑定士の人も驚いて教えてくれました」

「おめでとう!」

「おめでとう~」

「おめでとう!ってか、いよいよ大将の番だぜ、元レベル1!」

「わ、わかってるよ・・・・・・」

「ヒヒヒ!これでミルやリラより低かったらリーダー交代かな?それとも、やっぱりレベル1でしたってオチかな?!」

「くっ!嫌なこと言うなよ!!俺だって鑑定士に変な事言われたから怖いんだからな!!」

「お兄ちゃん、早く見せてよ~!!」

「わかったよ」


 カシムが恐る恐る冒険者証をテーブルに開いておく。


カシム・ペンダートン

職業 軽戦士

レベル  1  →  32

力   100 →  287

体力  100 →  240

俊敏性 100 →  205

器用さ 100 →  164

運   100 →  198

魔力  100 →  76

魔力適性 空欄 → 光

潜在性  空欄 → A

スキル  空欄 → 先導者、希望


「レベル32?!」

「見えねぇ~」

「見えない」

「見えな~い」

 3人同時に言って苦笑する。

 カシムは自分のレベルに驚いて固まっている。

「あと、ステイタス、パッとしねぇのな!」

「確かに。レベル32にしては全体的に低いな」

 ランダが指摘する。

 ・・・・・・確かにそうだな。

 魔力値は、未鑑定だと基本値の100にされる。鑑定してみたら、俺は基本値に届かない程度の魔力だったが、まあそれはいい。

「しかし、このスキル『希望』って何だ?」

 ランダの続けての指摘に、全員が首をひねる。

「い、いや。鑑定士もやたらと首をひねって考え込んでいたから、不安だったんだけど、それって、このスキルの事かな」

 カシムも唸る。

「変なの!でもかっこいいね!」

 ミルの言葉に、リラもファーンも頷く。

「ま、らしいっちゃ、らしいよな!この運だけ異常に良いのとか!さすがは『ウンコの英雄』だ!」

 ファーンの言葉に、カシム以外が笑う。



「ニャるほど、ニャるほど!カシムンのレベルは32っと!!」 竜の団の後ろから特徴的なしゃべり方がして振り向くと、ユリーカがニヤニヤ笑いながらメモを取っていた。

「あ、てめぇ!ユリーカ!!」

 ファーンが怒鳴る。

「密着取材、やめたんじゃなかったのか?」

 カシムがあきれ顔でユリーカを見つめる。

「やめてないのニャ!!ちゃ~~んと見てましたのニャ!!」

「調子の良い事を・・・・・・」

 リラもため息を付く。

「本当ですのニャ!」

 ユリーカがムキになる。

「カシムンたち、ギルドの評価は低かったけど、アタシはちゃんと見てましたのニャ!カシムンは『ウンコの英雄』なんかじゃニャくって、本当の英雄だったって事、アタシは知ってるのニャ!!」

 ユリーカの言葉に、ファーンとリラが驚く。

「だから、『ただ中』には真実を書かせて貰いますのニャ!!」

 そう言うと、ユリーカは去って行った。他にも色々取材が忙しいのだろう。

「ま、あんまり信用してないし、別にどう思われても気にしないけどな。・・・・・・ただし『ウンコの英雄』は、もうやめろよ!」

 カシムに睨まれて、ファーンが慌てる。

「わかったわかった。悪かったよぉ!もう言わねーって!」

「うふふ。あたしはお兄ちゃんの事、ちゃんとわかってるから、別に誰にどう言われても関係ないもん!あたしは、お兄ちゃんの味方だよ!ずぅ~~~っとね!」

「おお。ミルは良い子だ!」

 カシムがミルの頭を撫でまくり、ミルは嬉しそうにカシムにしがみつく。



「カシム。言いそびれていたが、約束通り助けに来てくれてありがとう」

 ランダが言う。

「いいさ。仲間だもんな。・・・・・・それより、ランダは目的は果たせたのか?」

 ランダの事情は、カシムは知らない。

「ああ。それは、無理だった・・・・・・」

「そうか・・・・・・」

 カシムは敢えてそれ以上の話しはしなかった。その内ランダから話してくれるだろうと思っていたからだ。

「それで、次はどこに行くんだ?」

 ランダが問う。少し嫌そうな顔をしている。

 カシムも、ファーンも嫌そうな顔を見合わせる。

「・・・・・・聖竜に会いに行こうと思っていたんだが・・・・・・」

「・・・・・・やはりそうか・・・・・・」

「じゃあ、途中にエルフの大森林があるよね!!」

 ミルが叫ぶ。リラの表情がパッと明るくなる。

「・・・・・・まあ、そうなるよな、やっぱさ・・・・・・」

 3人がうな垂れる。

「じゃあ、まずはエルフの大森林かな・・・・・・」

「やったーーーー!」

「わあ!嬉しい!!」

 ミルとリラが手をたたき合う。

「じゃあ、ついでにマイネーを向かえに行くか」

 

 そう言う事になった。

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