脱兎の如く逃げる僕達

でこぼこ道を無遠慮に、無造作に一台の車がとんでもない速さで駆け抜けていく。逃げるための全力疾走とはいえ、百八十キロで走る車に乗る機会などないだろう。頭が後ろに引き寄せられるみたい。

「アリス・・・。」

ジャスミンが手でグーを作り足の間にもじもじしている。

「まずはアンタに謝らなきゃいけないの。」

「え、私に?」

すると頭を深々と下げて。

「ごめん!実は鍵を盗んだの、私なの!!!」

「えっ・・・えーっ!?」

狭い車内で二人の素っ頓狂の叫び声。幸いにもここには騒ぎをいちいち咎める律儀な者はいない。

「なんで!?」

「ヘレンに頼まれたのよ。アリスを救出したら返してって・・・。あっ、これ本物。」

服のポケットからアリスの手のひらの上に渡されたのは紛れもなく本物の自由の鍵だった。冷たい金属質で出来ているはずなのに、ほんのり熱を感じる。・・・いや、ポケットの中に入れていたからか?

「よかった・・・。」

やっと手元に帰ってきて一安心。しかしそれも束の間、謎が倍に増える。なぜヘレンが彼女にそのような指示をしたのか?他にも・・・。

「救出したら、返して・・・?おい、まるでこうなることを全て予想していたみたいな言い方じゃないか。」

ハミルトンの追及に対しまずは激しく首を右に左に何度も何度も振った。

「知らないわよ!私はただ、鍵を盗んで、牢屋から逃げたアリス達を助けてとしか言われてないんだから、本当よ!」

根拠はなくともジャスミンが嘘をつくようには思えなかった。

「はぁ、もう何がなんだか。」

一気に脱力して、座席に身を委ねた。そんな彼に追随を許さない如く次に尋ねるのはアリス。

「今だから聞くけどなんでハミーさん、ジャックさん達のそばにいたの?」

「・・・。」

あの時の場面を思い出すといい気分がしない。面と向かい話すために気持ちを整える。

「迷子の僕は城の兵士に捕まって城へ連れて行かれた。そこでジャックと出会ったのさ。」

アリスは真剣に聞いている。

「こう言われたんだよ。白兎のふりをしろって。女王の言うことに従えばいい、アリスは必ず助かるからってさ。」

一応自分もそれなりに真面目に聞いていたジャスミンが早くも痺れを切らし無造作に髪を掻き毟って項垂れる。

「もーっ!一体なんなの!?」

アリスも正直、同じ意見だ。疲れ切った様子で天を仰ぐ。

「私たちは何に巻き込まれているの?」

「ジャックは怪しいよね。どこからどこまでがあいつの手の内だったのやら。」

三人は思考を一旦放棄した。ガタガタと車の揺れが激しさを増す。

「ねえ、どこに向かってるの?」

アリスの質問にニコラスは。

「オレ達は愉快なお茶会トリオ、向かう先はいつもの場所・・・だとしたら城の追手もそこに向かうだろうよ。ま、ちょいと知らない道走り回って知らない所に身を潜める。悪いが、救出した後はノープランだ!」

抑揚をつけ、まるで歌うよう。助けてもらって申し訳ないがアリス達は不安でしかなかった。

「無計画だし飲酒運転だし、ほんとのほんとに大丈夫?」

「運転に関しては大丈夫よ。割と常習犯だから。」

ハミルトンの疑問に、ジャスミンからツッコミを要する答えが返ってきた。

「人として大丈夫じゃないんだよなぁ。」

「運転より、心配なのは・・・。」

まったくもってその通りである。真っ直ぐな道を時折あっちきたりこっちきたりしているもの。マーフィーの独り言は誰の耳にも入らなかった。

彼の危惧していた心配事とすぐ直面する羽目になるとは誰も知らずに!

「なんの音?」

サイドミラー、バックミラーに映る群れの影。やがて群れを形成する物が何か視認できる距離まで迫ってきた。

「追っ手が来てるよ!」

兵士が馬に乗って追いかけてきた。すると、マーフィーがシートベルトを外して後ろを向く。腕で天井を押し上げた。屋根裏部屋の窓を開く感じで。今度は上半身を乗り出しズボンのポケットから何かを取り出した。手に収まる大きさのものだから確認はできなかった。アリス達の位置からは彼の動きもよく見えない。

「・・・。」

指で中の物をこねくり回すと、手の中の黒い物体が大きな銃器へと姿を変えた。きっとハミルトンかジャスミンが目撃したら銃火器、あるいはロケットランチャーと呼んだだろうそれはニコラス曰く「RPG-7のパチモン」だそうで、ロケットランチャーのようのものの、ようなものといった代物だ。

「お前に任せたものの、撃てるのか?」

「スピードを落として。頼むから真っ直ぐ走って。」

大きい分、反動もすごいだろうに。いくら男性とはいえかなり細身の部類に属するマーフィーがまともに扱えるとは思えない。ここは等身大の大剣を振り回せる人間がいたっておかしくなさそうな異世界だ。細かいことは気にしない。(そもそも首から上がおかしいから普通の人間ではないのかもしれない。)アイアンサイトを睨む。引き金を引いた。弾頭は派手なブラストを噴いて群れの中に突っ込んだ。馬が、兵士が、散り散りに吹っ飛んでいく光景を、衝撃と共に振り返ったアリス達はあんぐりと口を開けて見届けた。

「爆発したら殲滅できたかもしれない。」

「無茶言うなよ。どんだけ走れってんだよ。」

前の席の会話なんか誰も聞いちゃいなかった。追っ手の数は一気に減ったが、向こうはまだ強力な兵器を出し惜しみしていたのだった。道を挟む森から姿を現したの黒い大きな影。姿はカラスそのものだった。

「げえっ、なにあの巨大なカラス!反則でしょ!」

驚くことにヘリコプター並みの大きさはあって、上にも兵士が乗っている。さすがファンタジーの世界。アリスの頭は現実と非現実が衝突してクラクラしてきた。すかさず、兵士が槍をぶん投げた。マーフィーが反撃しようにも間に合わず、彼の安物の仮面、頭を貫通した。RPG-7は腕から落ちて地面に落下。次に力の抜けた体が走るときの衝撃に合わせて不自然に揺れる。

「マーフィーさん!?どうしたの?」

「まさか投げたアレがブッ刺さったんじゃない?」

ジャスミンは平常だった。アリスは後ろと、彼の除く部位を交互に見て、叫びたい気持ちを必死で抑えた。

「死んじゃいないよ。しばらく動かんがな。」

ニコラスも特に気にかける様子はない。マーフィーの頭部から血の一滴も流れていなかった。アリスのショックは相当なもので、すぐに落ち着くわけがないが。

「どうしよう。」

「・・・そうだ!」

魂ここにあらずな状態になりかけていたハミルトンが驚きを含んだ元気の良すぎる声を発した。

「ハミーさん?」

アリスの不思議を無視して彼は振り向いて、ある一点を睨んだ。変化はすぐに気付いた。急に追っ手が全員後ろに引き離されていく。

「空間操作の魔法が使えるってこと今思い出した。何かを目印にしてそこまでの距離を伸ばしたんだよ。」

アリスと出会って間もない頃に使用した不思議な力を、今度は悪戯ではなく本当に必要とする状況で発揮することが出来た。

「確かハミーさんが歩かないと意味がないんじゃあ?」

「ジャックにこの力の応用を教えてもらったのさ。」

自信に満ちた声から一点、やっとの勇気を振り絞った言い訳で逃れるときの声だ。作者が忘れていたというミスを後付けで誤魔化したなんて、恥ずかしくて言えたものではない。

「すごい・・・。」

「アンタやるじゃない!」

なんにせよ、彼の評価は多少なりとも上がった。これで敵を撒けた。とことん果てまで逃げるだけ。だが、決してトントン拍子にいくわけもなく。目の前の道が寸断されていて、ニコラスはそれに気付かずノーブレーキで滑走。

「あっ。」

ニコラスの間抜けな声は車が巨大な溝の上を浮いた時に発せられた。車内は浮遊感に見舞われ、視界は暗い岩肌に覆われる。もう現状を分析する余裕すらない。純粋な恐怖に各々大絶叫。

「落ちてるうううううう!!?」

「うわあああああああ!!」

「いやあああああーッ!!」

アリスは真ん中にシートベルトがないため、上に浮いて頭を打たぬようハミルトンとジャスミンが抱きとめている。というかしがみついているだけだが。悲鳴と共に車ごと底見えぬ穴に吸い込まれていった。途中で皆意識を失い、どうなったかは不明だ。




「う、うぅ・・・。」

アリスは目を開けた。もうそろそろ死を覚悟したが、視界に広がる景色は霧に覆われた鬱蒼と仄暗い森の中で地面には湿った枯葉の感触が現実味を感じさせた。どうせならもっと安心できる場所で目を覚したかった、違う不安でいっぱいになりそう。怪我はなく、自分の無事を確認できたところで次は他の仲間の心配だ。辺りを見渡すとまず視界に映ったのはハミルトンだ。片肘と片膝を折り曲げてうつ伏せの状態だ。

「ハミーさん!」

駆け寄るとハミルトンがゆっくりと体を起こす。

「ハミーさん、大丈夫!?」

「大丈夫。不思議に痛くはない・・・なんかもう、怖い・・・。」

蹲み込んだ彼女に支えられてなんとか立ち上がった。

「ジェットコースターってこんな感じなのかなって考えてた。そんな馬鹿げたことでも考えてないといい加減立ち直れないよ。」

「落ちっぱなしのジェットコースターはないよ、ハミーさん・・・。」

アリスは便乗した返しで応じてあげた。

「ん?」

どこからかびちゃびちゃと水の溜まり場に更に水が流れ込む音とカエルが踏み潰された時に発するような声を音量を上げたような不快な音が聴こえる。

「超絶嫌な予感がする。」

ハミルトンの躊躇いをよそにアリスは音のする方へ走った。

「ひいっ!?」

太い樹の幹の後ろ、マーフィーの頭を貫通したまま槍が地面に突き刺さっている。そこで一度立ち止まり、震える足を仕方なく動かして前に進むと少し細い樹の後ろ。ニコラスが腕を木肌に伸ばして背中を丸めて立っていた。

「あ、あのぅ・・・。」

足元には吐瀉物の水黙りが出来ていた。後から来たハミルトン共々察しがついた。

「大丈夫・・・ですか?」

「・・・・・・。」

俯く顔をあげる。さっきのお祭り気分のテンションはどこへやら、顔面真っ青で一気にやつれていた。

「・・・おい、ちょっと!」

極め付けは数メートル離れた茂みにジャスミンのガニ股が覗いてシュールかつ混沌たる光景。ハミルトンが引っ張って地面に寝かせる。

「気絶してるのか?まさか、死・・・!?」

「そんな!!」

最悪の結末が頭によぎった。だが、よく聞けば心地良さそうな呼吸が聞こえる。心臓の音も普通に聴こえるし、これはもしや。

「はぁ!!?コイツ、寝てやがる!!」

あまりにも衝撃的で、これ以上つっこむ気も起こらなかった。

「フン。俺達はいつもこんな感じさ・・・うっ!?」

傍らでニコラスは再び地面に胃の中のものをぶち撒けた。混沌が点在したこの場所からアリスは今すぐ逃げ出したかった。

「はっきり言って地獄絵図だな。」

ハミルトンもついに呆れる始末。


「ふふっ、皆さん無事で何よりです。」

遥か上から聞いたことのある声が降ってきた。頭を上げても誰もいない。

「・・・ジャックさん?」

「コレが無事に見えるか?」

アリスの声に反応して、風もないのに葉が揺れる。枝に腰をかけているジャックが姿を見せて、軽々と飛び降りた。いつの間にか元の衣装に身を包んでいて、脇にはハミルトンが着ていた私服を抱えていた。

「こっそり皆さんの後をつけていました。普通なら即死のところをその程度で済んだのは僕のおかげですよ?」

彼のよく見せる笑顔を浮かべて近づいてくる。アリスはジャックの笑みに違和感を抱く時があった。薄すぎず、大袈裟でもない理想的な「穏やかな微笑」があまりにも完璧すぎて、作り笑いにも本心からの優しい笑みにも見えて不思議な気持ちになる。腹黒くて狡猾、優しく人間臭い、異なる一面をしっかり持っている彼を知ったからかもしれない。今はどっちの笑みを浮かべているのだろう?思考に耽るアリスを大股で力強い足音が横切った。

「この野郎!!」

ハミルトンがジャックの胸ぐらを掴んだ。持っていた服が地面に落ちる。

「ハミーさん!?落ち着いて!」

アリスの制止も効いてなければ、ハミルトンの怒りもジャックにはこたえていない。

「礼を言う前にはっきりさせたい。・・・君の目的は何?僕らを捕まえさせたり、逃したり、どうしたいんだ!」

掴む手が震えだす。ジャックは微笑みを絶やさない。

「・・・。」

自分を襲う細い腕に手を添え、下へ向けて軽く力を込めると、手はすっとおろされた。

「そろそろ伏線回収と参りましょうか。」

ジャックは背中を向け、人差し指を立てた手で真横に空を切ると目の前に鉄の巨大な扉が現れた。

「他の方に聞かれるのはまずい秘密なお話ですので、ここから移動しましょう。」

「あの人たちは・・・。」

アリスは自分を助けてくれた恩人を、ましてやあんな状態で放置などできなかった。

「心配いりませんよ。助けを呼びましたから。」

ハミルトンは彼を疑っている。アリスも誰を信じていいかわからない。断った先にはきっと何もない。自分達はこの世界ではあまりにも無力なのだ。

重い音と共に扉が一人でに開いた。中は深淵の闇だった。扉の奥が怖い。臆病で心配症で仲間思いの相方の手を引く。

「大丈夫、一緒なら怖くないよ。」

「・・・うん。」

ハミルトンは綺麗に畳んであったのに落ちた時に崩れた服を抱え、もう片方の手はアリスの腕に回した。そして三人は進み、扉は勝手に閉じた。



少し進んだら、暗闇が晴れた。だからといって広がっていたのは不思議だけど、どこか薄気味悪い不気味な空間だった。床は赤と白の市松模様のタイル、大きなチェスを模したオブジェが均等な間隔で並んでいる。

「長話になりますが・・・。」

三人分の足音しか聞こえない。

「ここはどこ?」

「さあ、適当なところに繋げたのでわかりません。」

落ち着いた柔らかい声で返されたら知っていながらはぐらかしたんだと思ってしまう。円形にくりぬかれた木の板が見える。近くまで来てみると人が余裕で通れるほどの穴だ。

「なんだ、あれ・・・。」

ハミルトンが振り返ると、斜めの刃が特徴的な金属の板が勢いよく降りてきた。ガシャンと喧しい音と地響きにハミルトンとアリスは心臓がまろび出そうなほど驚いた。木の板に開いた穴が刃で塞がる。見渡したら木の柱が両隣にあって、刃は縄で繋がれていて・・・巨大なギロチンだった。

「聞いてます?」

実はずっと話していたらしい。アリス達はそれどころじゃない。

「し・・・死ぬ、なにあれあんなの・・・。」

「死にませんよ。」

全きの無表情でたった一言返したのち、また歩き始めた。丁寧に説明してくれたとしても頭に入らなさそうだ。

「クロケー大会を中止に持ち込んだのはアリスと女王が早い段階で対面する可能性を避けるため。様々な魔法干渉対策が施されており、女王の独壇場である会場で私は不利でしかない。アリスが彼女に何をされようと止めることができない。」

淡々とした説明をいつしか真剣に聞きながら進んでいた。

「あの方の行動は気紛れも大いに含んでいます。油断ならない。」

「クロケーがなくなったらすぐ裁判起こすのも予想してたのか?」

道の先に先程と同じ巨大ギロチンが待ち受けている。アリスの隣で内心怯えている事を悟られないよう、平静を装う。

「ええ。裁判も私の筋書き通り。アリスが牢屋に入れられる事も含めて。「アリスと話したい事がある」と仰っていた彼女を利用し、二人きりとはいかなくとも最低限の警備がでも済むような状況を作り、そこに偽物の鍵を持った兵士を送り込む。魔法が発動して動けない状態にしておいて、その好きにアリス達を逃したと言うわけです。」

速さも、声も、聞きやすく話してくれているのに今ひとつ理解できない。落ち着いて考えればわかるはずなのにわからないのはアリス達が結局知りたい「なんでそんな事をした」のか。手段が明らかでも目的がうやむやだと聞いてるこっちはもっともやもやしてくる。

「結局わからないような、わかるような・・・?」

アリスの呟きにジャックは笑いを漏らした。嫌な笑い声ではなかった。

「早い話、アリスを捕まえさせた後に逃したのは女王様の動きを止める為の過程の一つ。酷な事をさせた件についてはお詫びします。」

「本当、こっちが拷問受けてる気分だったよ。」

愚痴をこぼしたハミルトンが二台目のギロチン台を潜る。待ってましたと言わんばかりに皆が通った直後に刃を降した。・・・やっぱり慣れない。

「えっと・・・なんで女王様にそんな事を?」

すごく勇気のいる質問をアリスはぶつけた。わずかな間をあけてから返ってくる。

「秘密です。貴方達には関係ありません。それに、もうアリス達に協力してもらう必要はありませんから。」

「協力したつもりないけど。」

「ハミーさん・・・。」

裁判や牢屋での出来事をいまだ深く根に持っているハミルトンだった。しばらく無言で歩き続ける。ギロチンもなくなって、遠くに扉が見えてきた。その前に、道の真ん中に赤い果実が転がっていた。さくらんぼの片割れにも見えるがそれよりは大きく、拾ってみると硬いから少し小さめのリンゴといったらしっくりきた。

「なんだこれ。」

「ああ、これは忘却の森に生えてるアレですね。」

あの時見たのはもうちょっと大きかったような?

「毒とか入ってないかしら。」

「毒リンゴは別のお伽話ですよ。」

アリスは知っていた。なんせ絵本とはお友達以上の関係だから。

「生えている場所があんな所だから人の目に触れられないだけで、大変美味だというのに。」

入った瞬間何もかも忘れてしまう森なんて好んで入らないだろう。

「うーん、大丈夫そうならいただこうかな。ちょっと気になる・・・。」

ハミルトンがまだ何が言いたそうだが、アリスは手のひらに収まる真っ赤な果物をいろいろな角度から眺めたあと、一口齧る。

「うん!リンゴだわ、これ。」

乾いた咀嚼音と口の中に広がる瑞々しい甘さは知っているものだった。量も多くはなく、もう一口は丸々食べてしまった。


「・・・あれ?」

急に視界が真っ暗になった。毒リンゴを食べて眠ったわけではない。意識はしっかりとあった。どこも悪くない。地に足がついた感覚もある。

「アリス・・・ど・・・・・・の・・・。」

隣にいた仲間の声も、前を歩いていた仲間の声も遠のいていく。自分だけが違う世界に閉じ込められて隔離されていくようだった。

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