第22話 12月21日 火曜日 13時頃
白雪さんの会社に宮迫さんが着いた。
「暮れの忙しい時季に、ごめんなさい」
「君のせいじゃない。午後になり、済まない」
廊下を歩きながら、白雪さんが切り出す。
「申し訳ございませんが、退職したいです」
「責任を感じているのなら、一緒に謝る。でも、その様子では違うね。疲れたんだろう。」
「はい。御社には申し訳ないですが。もう自分の意見は全部言ったので、すっきりしています。仕事を全部やり切れなかった悔しさはありますが、これ以上信頼できない人の会社にいるのも」
「やり残した仕事は、六角自動車に戻って存分にすれば良いよ」
宮迫さんの言葉に安心した白雪さんは、勇気を出して社長が待つ部屋に入った。
話はすぐ付き、治療費は請求されなかった。
最後の挨拶に戻ると、仲が良かった先輩が
「守ってあげられなくて、ごめんね」
と、泣いた。例の先輩は何も言わなかった。胸を触った張本人は、辞めさせられるだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます