薬は偉大な事を、人々はまだ知らない。

 本日連投です。現実逃避だばかやろー。


 彼の様子が落ち着きました。

 まだちょっと衝動に弱いのですが、暴力的なじゃれ方はしなくなり、怒鳴ることも減りました。

 何より驚いたのが、会話が成り立つようになったこと。前は話題がポンポン飛んだり、返事がなかったり、私の拒否を覚えていなかったりしていたんです。そういう性格だと思い込んでいたから、『会話が成り立っていなかった』事すら分かりませんでした。――失礼ながら、そういうおバカさんなのかな、と。

 それが今や、落ち着きのある知的な頼れるナイスダンディに(笑)長い脚とか渋い顔とか、外見からして超ストライクだった私の彼。知的な会話がなされる度に、「なんていい原石見つけたんだ、私!!」と悦に入っています。――はいノロケですが何か。


 彼が落ち着いたのは、新しい薬を開始して1か月程してから。

 躁の特徴(彼の場合は肩こりや腰痛)は出ているものの、気質の激しさは出ていません。

 私が鬱に落ちた理由には、彼が落ち着いたことによる燃え尽き症候群も多少はあると思います。彼が発病してからというもの、気が休まる時なんて一秒もなかったですからね……落ち着く前は、過去最高に欲望が強くなってて、色々振り回されたからね……。


 そんなわけで、お薬の恩恵に縋って生きている私達ですが。

 最近交流が戻った故郷のクラスメイトに、こんなことを言われたんですよね。

「旦那さん(まだ未婚だよコラ)、お薬を飲みながらでも仕事をするなんてえらいね。精神の薬って、危ないって言うよね」

 うん。カチンときたよね。君の情報はいつの時代で止まっているのかと、LINE越しに説教したくなったよね。しないけど。


 双極症の場合、お薬があることで普通の生活ができるんです。依存とかそういうものではなくて、薬の成分を利用して脳内伝達物質のバランスを取っているんですよ。これがないと、むしろ●麻とか覚●剤やってるのと同じ状態になってしまいます。むしろ「薬を飲まないと働けないし生きられない」のですよ。――私のイメージだと、脳の義手や義足。

 ある意味危ないとは思いますよ?成分が●麻とか覚●剤に近いものもない訳じゃないし、双極症でよく出される炭酸リチウムは認知症になりやすくなるとも言われています。しかしなりやすいったって数倍程度で、認知症自体がそもそも少ない。多くの患者さんは普通の老後を送り、普通の死因で亡くなっています。

 まぁ、なんで効果があるのか分かってない薬もありますけれど、医学の大半が未解明なんだから大きな問題じゃないです。


 なんでこんな考えの人多いかなあ……といつも思うんですが、大抵の人はそれほど病気をしないんですよね。せいぜいが、菌やウイルスが原因の風邪程度。薬は「病原を消すために飲むもの」であり、「社会生活を維持するために飲む」という発想はないんだと思います。

 幼少期から内因性の難病になったり、今も関節リウマチで生物学的製剤を自己注射している私とは理解度が違って当然なのかな、と思います。うちの両親も、私が飲む薬を『医療詐欺の所業』みたいに言ってましたからね……ったく、お前らも関節固まってみればいいわ(怒)


 精神薬の進歩は目覚ましく、この10数年でより確実で安全なものがたくさん生まれました。治療法も大きく転換し、患者のQOLやメンタルケアを重視するよう見直されました。同時に精神科の敷居は低くなり、患者数は増え続けています。――それでも自殺者は2万人を軽く超えており、その背景には精神科への偏見や無知があると私は思います。


 無知は罪ではないですが、正せない分偏見よりやっかいな気もします。

 まあ、私はリアルの関係で啓蒙する気はありません。「知り合いの言葉は届かないが、他人の声は心に響く」ものですからね。私は匿名で居られる空間でのみ、こうやって長々と愚痴るのみです。

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