非凡でいたいから、治しません。
実は私、ADHDある。といっても、部屋が散らかってごみ屋敷になるほどではない。ADHD傾向アリという診断だ。
ちなみに、弟の中にはがっつりADHDなやつもいる。そいつの部屋はモロ『汚部屋』で、歩くと電子部品がまきびしのように落ちていて痛い。
私は、ADHDの治療を拒否している。
理由は3つ。
1.テスト結果を見た時、どう見てもADHDに思えなかったこと。
2.それで生活に困った事がなかったこと。
3.ADHDの特性である『独創性』と『高い集中力』が、魅力だったこと。
医者には当然のように薬を処方されたが、1日飲んで止めた。頭の中が気持ち悪かったし、何より治すことが正しいとは私には思えなかったからだ。
普通でいたいと思ったことは、何度もある。
特にうつが酷い頃は、自分の何が普通ではないのか、普通でないせいで今どんな不幸が起きているのか、ぐるぐると考えては絶叫する日々だった。生まれたところからやり直したい、いや、両親の遺伝子が結合する瞬間から修正したいと本気で願っていた。
だけど今は、一切そんな気持ちはない。
過去を後ろ向きな気持ちでいじったところで、私は結局病むだろう。普通とは何かが分からない状態では、結局また周囲より浮いて苦しむことを繰り返すだろう。
何より、私のような病気や障害を持っていようと、私が通った過去を辿ってこようと、今の考えを持った『私』と同じになれるとは限らないのだ。
双極性障害だって同じだ。
私は今、完全に治したいとは思っていない。ストレスが溜まると寝込む体質はどうにかしたいが、怒りたいときに起こり、悲しみたいときに悲しめる今は、私の人生の中で一番自由だ。時には激しくキレる事もあるけれど、私の場合それは一瞬。生活で苦労はしていないし、何より小説のネタとしては上質だ。
太宰治も夏目漱石も、双極性障害だったという話がある。
夏目漱石は『疑いあり』くらいらしいが、この二人の作品は確かに単調ではない。様々な色を持っている。
だからって私が彼らに並べるわけもないが、執筆に限れば精神疾患は『障害』じゃあないよなと苦笑してしまう。
――ちなみにうちの弟。最近、昆虫の分野で何やら発明したそうである。
あいつの専門は電子だったはずなのだが、没頭すると深くまでのめり込むところが実にあいつらしい。姉貴として、私はそんな弟を非常に愉快に思っている。
さて、私も小説で名を刻めるよう頑張るか。非凡上等。
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