ep7.また会えたら会いましょう。

ep7また会えたら会いましょう。


「あさひっ!あーさひっ!そんな所で寝てないでワタシと泳ごう!」


色白で金髪の笑顔が綺麗な女の子がそういって浜辺で寝てしまっていた俺を起こして

か細い手で俺の手を引き、押し引きする波の方へと連れて行く

その女の子のか細い手首にはうっすらと線がチラつく。


一緒に海に入って、というか俺を半ば強引に引きずり込み


「ねえ来年も再来年もここでいっぱい遊ぼうね!」


笑顔でそう言った

これは夢だってはっきり認識出来ているけれど

何故か水中の冷たさを感じて居てそれと対比する様に心はポカポカする不思議な感覚がある。


ーーーーーーーーーーー

セミの鳴き声と混ざった着信音と共に目が覚めた。

なんでこんな夢見てんだろ…そう呟く間も無く電話に出た

何故なら通知をみると不在着信が何件も入って居たからだ

これが冰沙子や直斗だったら別だが相手は雨音。

しかも今日は雨音の近況報告も兼ねてドライブする予定、時刻は2時間も過ぎてた


「もしもし寝てましたか…?」

「んぅっー…悪い完全にとちったわ」

「また呑み明かしてました?」


そう笑いながら怒らずに対応してくれる雨音

全くこいつは優しくて純粋だ。


「いや…違う…違わないんだけど夢見てうなされてたわ」

「なにそれっ…どっちなんですか?ていうか理由になってませんよ!」


そりゃごもっともだ


「今からでも大丈夫?」

「僕は全然いいですよ!」

「ありがと準備できたら連絡する、あ、あとカメラ持って来て」

「え?は、はいわかりました」


そう言って電話を切って待ち合わせに向かう前に

夢の余韻に浸りつつ愛用の煙草、ガラムに火を着けて一服する刹那の一時


“また会えたら会いましょう”


その言葉が何故か脳裏に浮かんだと同時に

ガラムがパチリと弾けた。

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