1月31日

 だれしも一度は考えたことがある問がある。

 「なんのために生きているのか」


 人間だって動物の一種に過ぎない。動物には生殖本能があって、その本能に従って大人が生んだから生きているのだ。生まれた「理由」を求めるとするならば、これが最もバイアスのかかっていない答えということにならないだろうか。


 だが重要なのは「理由」ではなく「なんのために」、つまり「意味」である。


 ある人はこう言うだろう。夢をかなえるために。夢はなんだっていい。ドームコンサートを開くことでも、ベストセラーを書くことでも、家族を持って一軒家に住むことでも、なんでもいい。

 そういう人は、夢のために生きることができる人だ。達成できようができまいが、少なくとも理想を掲げることができる人だ。


 一方で、そういう人たちはその考えを絶対視したがる。夢や理想があるのが当たり前で、それが無い人のことを想像できない。世の中には何の理想も希望も持てない人が、彼らが思っているより多いのだ。


 「なんのために生きているのか」という問には一般化できる答えは無い。ある人は夢をかなえるためかもしれないし、ある人は死ねないから生きているというだけかもしれない。

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