1月29日

 自分の書いている小説が駄文に思えてならない。


 何日か前にも書いた通り、俺は今、中学生が主人公の小説を書いている。そして、前躓いていたいじめの描写はクリアしたと思う。


 だが、クリアすれば今度は別の課題が見つかるというのは創作においてよくあることだ。俺は今まさに、これと対峙している。


 なんだか、俺の文章は感情表現に乏しいように思える。語彙の問題でもあるが、何よりも発想力の問題である。


 例えば、主人公が「嬉しい」と思う場面があったとする。その時に、「主人公はとてもうれしくなった」のように書くのは簡単だ。でも、全く面白くない。それはただ、「主人公がうれしくなった」という「事実」を書いているだけで、羅列に過ぎない。

 じゃあどうすれば、より「文学的」になるか。例えばこうしてはどうだろう。「主人公の心は、太陽に照らされたように、温かくなった」。さっきよりはマシだと思う。けど、なんだかクサい。「文学性」を志向しすぎてそれが暴走している。俺はこの文言は書けない。酔っていたら書けるかもしれないが。


 「事実」と「文学性」の中間点を知りたい。俺はその二つの間の「ちょうどいいところ」が分からない。そこさえつかめれば、といったところだ。

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