1月28日

 二日前に「破滅」のことを書いたが、それともう一つ、流行となっているものがある。

 それは、「終わり」である。


 これは一方で、「破滅」とも読みとれなくはない。「破滅」的な「終わり」は確かに存在する。

 俺が「破滅」と「終わり」を区別したのは、「破滅」的な「終わり」ではないパターンが最近よく見られるからだ。それはどういうことか。


 「終わり」と聞けば連想するものは、死、無、などの言葉である。これには必ず負のイメージがついていると言っていい。それは「破滅」的な「終わり」だ。


 最近の「終わり」はそうではなく、幸福、愛、また、「終わり」に対して受容的である。

 登場人物は「終わり」に対し抗うでも文句をいうでもなく、それまでの幸福に気付き、噛みしめる。または、誰かを、何かを愛する。そのまま「終わり」を迎え入れる。


 俺は否定したいわけじゃない。「破滅」について書いた時と同じように、こういう形もあっていいと思う。むしろ、今までの、安っぽい少年漫画的な展開ではないという点で、俺はこちらのほうが好きだ。

 抗うものがいるなら、受容するものがいてもいいじゃないか。

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