1月21日

 地下鉄へ下る階段へ踏み込むと、ふわっとコーヒーの香りが漂っていた。


 改札の前が地下広場のようになっていて、そこに小さなコーヒー専門の屋台がある。そこからの香りだった。

 何日か前に書いたように、俺はコーヒーを愛している。迷わず屋台の前に立った。


 ボブカットの若い女が店員だった。正直、こんな若造にコーヒーのおいしさが分かるとは思えなかった。コーヒーを飲んだことすらないのではないか、そう思った。


 それは全く杞憂であった。若造は、一を聞いたら十で返すほど、情熱的であった。祖母に何かプレゼントをしたら、その倍で返してくるような、相手の手をいっぱいにするまで離さないような。とにかく、大量の情報をくれた。


 客は来るのかと尋ねた。あまり来ないらしい。割と大きい駅だから人通りは多いが、わざわざ立ち止まって楽しもうとするものは少ないらしい。


 この店は非常に気に入った。駅を利用するたびに立ち寄ろうと思う。

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