第28話 結婚旅行ファイナル
商業王国を後にした、ユウト達は結婚旅行の最後を魔法王国にした。
ファッショナブルな店やBAR、クラブがあるだけでなく様々な物が此処で揃う。
ユウトは白魔法以外、一切魔法が使えない上に、賢者にジョブチェンジは殆どしない為に、魔法具店は今まで立ち寄った事が無かったが、魔法が使えるジジやバニラが居る為に、立ち寄る事にした。
「ご主人様! 私達の為にありがとうございます。これからも精一杯お手伝いさせて頂きます」
ジジは真面目だ。まるで武人の様である。
小さな杖など色々と物色していたら、不気味な店の店主が出てきたーー見た目完全に魔女である。
「ひっひっひ! 何かお探しですかな?」
「ジジとバニラが魔法を使いますから、杖と何か役立つ魔法具があるか見に来ました」
すると、魔法具店主は色々と品を勧めて来た。宝石を散りばめた杖に髑髏の柄のあるロッドなどなかなかセンスが良い。
「ジジにバニラよ! 好きなのを選びなさい」
『イエスマイロード』
「え〜? 私は?」
マキが不満顔だ。
仕方ないのでマキにも選ばせる。
魔法具店主は武器以外にも魔法具も取り出す。
「これなんかも、オススメだよ! 敵に向かって投げるとクシャミが止まらなくなるよ」
「それただの胡椒だよね?」
「じゃあこれなんかはどうだい? 投げたら、虹が出て綺麗だよ」
「戦闘中にどんなメリットがあるんですか?」
「宴会芸さね。フヒャヒャヒャヒャ」
もう出す品、出す品ツッコミが止まらない。
「じゃあこれなんかはどうだい♪ 自分に使うとお肌が綺麗になるよ」
「いやそれただの美容液だよね? だが敢えて買おう!」
ユウトは美容に目が無いのである。
三十代も中盤な為にお肌も気にする年齢である。
「使うと、光り輝く魔法具はないのかね?」
「それならあるよ!」
マキは魔法具店主とユウトの会話を聞いて、この店大丈夫か? と思ったのであった。
ジジは髑髏の絵柄のロッドを選んだ。
流石は悪魔である。センス○
バニラは天使の模様の杖を選ぶ。
こちらも流石天使なだけある。センス○
マキは黄色の杖を選んだ。
普通すぎる!! センス×
ユウトはうさぎのジジやバニラの為に小さくして貰うように、特注をお願いした。
もちろん、美容液、光り輝く魔法具も買った。
「美容液は普通女性が使うと思うんだけど...」
「マキの前ではいつも綺麗な俺でいたいから」
ユウトはいつまでも綺麗で光り輝く自分で居なければならないーーロックスターなのだから
魔法具店を後にすると、マキのショッピングにも出かける。マキの選ぶ服は地味だ!
ロックスターの隣にいる女性が地味とか許せない。
全て却下して、ユウトのお気に入りの店にいく。マキは呆れ顔だ。
こればかりは妥協できない。マキはロックバンドのメンバーなのだから。
メタリックなシルバーピンク色のジャケットや、ラメ入りダメージジーンズなどロックな服やお人形の様な服を選んでいく。
ユウトは真剣で何度もマキに試着させる。
納得がいき、数点ショッピングを終えたら、
昼時である。マキの要望でアニマル喫茶に入る。
ハムスターやモルモット、ハリネズミなど触り放題で実に心が癒された。ユウトはその中でもうさぎが一番のお気に入りである。
えっ? ジジやバニラがいるだろうって?
うさぎは何匹いても構わない! うさぎに揉みくちゃにされると最高である。
ユウトは体に餌を貼りつけてうさぎに揉みくちゃにされた。
「我が人生に悔いなし」
ユウトはマキよりも楽しんでいたのであった。
こうして結婚旅行は楽しく終わっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます