大勝負

 一世一代の大勝負をしようかと悩んでいる。

 ギャンブルの様でもあり、人生の様でもある。勝ったところで人生アガリともいかないし、負けたなら死、とまではいかないが、それに近いところまではいく。つまり「死にたい」という気持ちである。

 他人から見れば競馬で負けに負け、最期に残った金を一点に賭けるようなものだが、そこまでの悲壮感はなく、なんというか、気分は高揚している。イケるんじゃないかという気がしている。こういうのが一番危ないのである。どうせ駄目だろうなと買う馬券が当たるはずもないが、いわゆるツイてる状態で、はい勝ち、次も勝ち、次もとやっていると、いつかすべて失うのが世の常だ。私はそれを嫌と言うほど分かっている。分かっているがやめられない。悲しい性である。

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