雨の日の一ページ目
次は××駅と、行先が最寄り駅を示したので、席から立ち上がった。ふと窓の外に視線をやると、すっかり雨脚は強くなっており、寂れた線路沿いの町も、いつもより反射して何だか、ネオン街の様で綺麗だった。やっぱり傘を持って出るべきだった。しかし、この雨だと、傘を持ったところで足元はぐちゃぐちゃだろう。
電車は最寄り駅で止まったが、私以外に降りる人はなかった。
屋根を打つ雨音が、まるで私の帰宅を歓迎しているようだが、私はちっとも嬉しくはなかった。改札へと続く階段を下りながら、どうやって帰ろうかと思案していた。タクシーは金が勿体なさすぎる。コンビニで傘でも買うか。いや、お金の事だけ言うなら、大差ないか。どうせワンメーターだ。ならタクシーか。靴が濡れるのは本当に嫌だからな……。
ピピっと決済音が鳴って、バタンという改札の開く音。
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