第27話 貯金増額に向けて
「紅葉さん……」
「真君…」
「あ、主これは…」
「ふむ、この状況はいただけませんね」
「お兄ちゃんどうすんのーーー!」
4人は教室から外を見る。
校門の前にはカメラマンが何十人と来て待ち構えていた。
どこから情報が漏れたのかアグリードとデルガは全く思いついていなかった。
「多分学校の生徒の誰かがSNSに写真だか動画だか上げたかもしれん」
「真……どんまい」
「てんめぇこのやろう」
獅堂はニヤニヤとした笑顔で真の肩を楽しそうに叩く。
煩しそうにその手を払うと真はデルガとアグリードに質問をする。
「2人ともこの状況に何か心辺りない?」
「心辺りと言われましても………」
「さっぱりですね」
頭を悩ませている
「………そう言えば学食とやらを食べている時光る板黒い板を向けられましたね」
「何故かその状況で何故か味の感想も聞かれました」
その2人の一言に紅葉、獅堂、真、響の4人が一斉に固まる。
「「「「絶対それだよ……」」」」
悪魔ではない
「やばいなーーここ暫くギルドほったらかしてるから先輩に怒られる」
「獅堂、これ下手に下校したら付き纏われるよな?ていうか獅堂と響以外SNSで顔バレしてるくね?」
またもや固まる響
「お兄ちゃん下校どうするのさ。なんとかしてよぉ!」
「えぇ……」
響の無茶ぶりな注文に狼狽る。
しかしなんとかこの状況を打破しようと考えてるとある考えが浮かび上がる。
「ゲート…デルガとかアグリードが出てくるゲートを家に繋げて帰れないかな?」
「お兄ちゃん流石にそんな都合がいい事が出来るわけーーー」
「出来ますが?」
「よし早速帰るぞーー!!デルガ!ゲート!」
デルガの言葉に驚くよりも早くそう口にする。
響は驚いた表情をしていたが真が直ぐさま2人ににゲートを出すよう命じた。
普段は2つのゲートだがデルガのゲートとアグリードのゲートが重なり230㎝くらいのそこそこ大きになる。
「あ、そう言えば紅葉さん家どうするんですか?」
ゲートが出来上がってから紅葉の家事情を知らない事を思い出す。
「一人暮らし暮らしだからねーー最悪ビルの屋上の扉ぶち壊して帰る。なんなら屋上の方が近いし」
「ビ、ビルの屋上」
なんて事でもないように言い放つ紅葉に真は顔を引きつらせる。
そんな真を見て何か思い付いたのかニヤリと笑うと1つ提案を出した。
「真君の家に泊めてよ〜〜?」
「理性と響の目で死にそうなんで却下ですね」
「ちぇっそんなに食い気味に断らなくてもいいじゃーーん!」
駄々をこねるように反論するが真は取り合わない。
獅堂は紅葉の発言に
「そこら辺のモデルより美人なデルガでさえ理性ヤバいんですよ!!!紅葉さんまで泊まったら理性が耐えられる自信ないしバレたらカミソリでも送られてきそうだからぁ!!」
「主は私に対して理性捨てればいいじゃないですか………」
「18禁展開にはさせねーー!!!!」
「おにぃーーーちゃーーーん?!」
「俺悪くなくない?!」
最早真は悲鳴を上げるが如く叫ぶ
堪らず助けを求めて獅堂の方を向く消えている、下に気配を感じ名前を呼びながら顔を下げた。
「獅堂!お前もなに……か」
いい笑顔で地面に伏している。
その手はヘソ辺りで握られていた。
「獅堂?しどーーーー?!」
返事がないただの屍のようだ。
この後獅堂はなんとか生き返り帰路につく。
紅葉は校舎の上から少し離れた家の屋根に飛び乗って自身の住まいがあるビルの方へ向かって行った。
そして真達は何事もなくゲートを通り直接部屋の中へ帰る。
校門の前に待ち構えていたカメラマンや報道陣は夜7時30分まで時間が経っても出てこない真達を諦めて一時的にその場を去った。
そして初登校の日も含めて3日通い土曜日を迎える。
真は既に億は貯まっている貯金を更に増やす為にダンジョンに潜る準備を進める。
(この3日間響に迷惑をかけない為にゲートを使って登校下校をしていたけどハンターとしてダンジョンに潜るなら響は関係ない。堂々とダンジョンに行ける)
全ての準備の準備を整えて目の前にいる2人を見る。
(2人のおかげで大分稼げてる……お金は充分あるから響の事も考えると引っ越しを考えないとな)
「2人とも、この3日間のうちに教えた。ハンター協会の位置は分かるよね?」
「「勿論です」」
「古豪会長に用があるからその建物付近で1番人気の少ない所にゲートを出してくれ」
「分かりました。少し離れた位置になりますがどうしますか主?」
アグリードが気を遣い真に尋ねると首を振る。
「気にせずそこは思い切り人気のない場所を選んでゲートを出してくれ。もう2人を隠す必要はなくなったといってもあまり目立ちたくないからな」
部屋の時計を見る。
時計は5:20を指し示している。
響は自室で寝ている。
一応前日に
今日ダンジョンとハンター協会に行くは伝えてある。
そして響のスマホに行ってくるというメールも送った。
「ゲート出して」
パチパチパチィ
小さい音を鳴らしながらデルガとアグリードのゲートが開かれた。
「よし、行くか!」
小さく気合いを入れてゲートを潜る。
周りを見ると木に囲まれていた。
「え……とここは?」
「ハンター協会から2キロ離れた公園です」
アグリードの言葉に周りを良く観察すると何度か来た事がある公園の風景と一致していた。
「ここ、来た事あるけどこの景色はあまり見たことないなぁ」
「端の方なので目にする機会が限られていたのでしょう」
(まぁ、距離がある事に文句はいうまい。仕方がないと割り切ろう)
「よし!軽く小走りしながら行こう」
軽めの体解しの意味も込めてジョギングでハンター協会に向かう。
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