第15話ゲートへの突入
爆進している。
芥の炎魔法が爆弾の域にまで達しているおかげで範囲を絞り突破する事に専念出来ていた。
「凄いですね……単純な火力、爆発範囲が倍に上がるのではなくそれに伴う爆風は倍以上…」
モンスター群の中に出来た隙間を走り抜ける。
その後から当然のように3人を追いかけるモンスターを鹿島がチラリと見て真から貰い受けた剣をみる。
何度か使う事で剣が要求している動きに対応でき始めていた。
魔力を通し2本のうちの1本をモンスター群にむけて投げる。そしてまだ握っていた剣を横に振る。
すると投げた剣と手に持つ剣が連動しているかのように動き剣筋上にいたモンスターを両断した。
「これはすげぇ!!遠くにモンスターを魔法使いだけに頼る事もなくなるな!芥ぁお前の負担がこれから減るぞぉ!!」
芥の魔法で何度も爆発が起きる空間で大声を出して興奮を露わにする。
魔法系ハンターに魔法効果がアップするアイテムを渡せば効果が目に見えるのは当然だったが鹿島が手にした剣の持つ効果が分からなかった為芥ほど間違えるとは真は想像していなかった。
魔法の効果がアップしても所詮は魔法使い。
接近戦では近接ダメージディーラーには敵わない。
だが鹿島は接近特化のハンター
離れた位置で攻撃仕掛けられてそれを掻い潜り接近戦を挑もうとしても本来接近特化ハンターの鹿島に勝てるはずがない。
真は奇跡的に爆発爆風、遠隔斬撃から助かったモンスターの処理をしているだけだった。
「こぼれたモンスターを狩るだけでかなり経験値が入ってくるからこの状況意外といいかも」
「「いいわけねぇ!!」」
脳筋が確実に混じっている真の発言に思わずツッコミを入れる芥と鹿島。
苦笑いをしているとアグリードから声を掛けられる。
『主もうすぐ紅葉と言う者がゲートに着きます警戒をしてください』
「芥さん、鹿島さん!紅葉さんがいるゲートはもうすぐですより警戒を!!!」
その場に一度止まる。
余裕がありふざけていた3人は口を閉じて今まで以上に警戒をした。
何度かオーガが襲ってきたが殺し魔石に変えるとモンスターの勢いが完全に無くなる。
周辺に静寂が訪れる。
まるで世界が止まったかのように
離れた場所からモンスターの断末魔や威勢の良い鳴き声が聞こえてくる程度だ。
「突然………?止まった」
「ゲートが近い行って見ましょう!!」
2、300mほど駆け足気味に移動すると建物と同じ大きさのゲートが音もなく佇んでいた。
「紅葉さんの反応があったはず……アグリード」
頼りになる名前を呼ぶと反応が返ってくる。
『反応自体は近くにあります。恐らく周りの瓦礫の中に埋もれているのでしょう。魔力の流れから察するに状態……どうやら気絶しているようです』
(りょーーかい!)
「芥さん!鹿島さん!紅葉さんの反応があるので生きてます!どうやら瓦礫に埋まっているようです!」
「分かりました。では私はあちらを、鹿島は向こうの瓦礫を退かして探してください荒鐘さんはーーーー」
それぞれの探す位置を決め紅葉さんの反応を探る。
(それにしても、ゲートから1匹もモンスターが出て来ないなんてどういう事ですか?まさか紅葉さんが1人で中のモンスターを??)
カラッ
小さな本当に小さな音を近くにいた真は聞き逃さなかった。
「………!!!」
ゆっくりとしかし確実かつ迅速に瓦礫をどかしていく。
カラカラッ
更に小さい瓦礫が崩れる
これは真が動かしたわけではない。
つまり紅葉詩乃が身動きをして崩れた可能性が高く意識を覚ましているかもしれないのだ。
更に瓦礫をどかしていくと突然瓦礫が爆ぜた。
「くっそ!!!!!痛いわね!!気絶しちゃってたじゃない!!!…………あ」
「「「………」」」
誰もいないと思っていたのか紅葉はハンターという命を懸ける職業柄身についてしまったその荒々しい言葉遣いをを真達3人に聞かれて固まってしまう。
「き、聞いてたかしら?」
「その……」
「何も聞いていませんでしたよ?」
「フス~~ッ」
詰まる真、ポーカーフェイスを貫く芥、下手くそ過ぎる口笛を吹く鹿島。
「〜〜〜!!!」
そして顔を茹で蛸のように変える紅葉詩乃
このままじゃらちがあかないと紅葉に周辺のモンスターをどうしたの芥が問う
それを利用してこの状況から抜け出そうと若干前のめりに答える紅葉
「そ、それは私が少し気合いを入れて魔法攻撃を放ったからですね!Sランクのモンスターのオーガキング相手だと余裕かませないので……」
怪我をしているのが脇腹を抑える。
「だけど、まだゲートが閉じないって事はオーガキングよりヤバい相手がいるって事です。私はこのままゲートを閉じるために潜りますが貴方達はついて来ますか?」
「もちろんその為に僕達は紅葉さんに合流しに来ました」
代表して真が答える。
「君は……あの時の助けてくれた?」
「あっはい」
「………私が目を覚ます前に感じた魔力ほ来ていないの?」
核心を突く質問を突然する紅葉
Sランクにもなれば意識を失っていてもどんな魔力かを感じる事が出来るのがほぼほぼデフォルトとなっている。
「アグリード……」
例の如くゲートが開きその中からアグリードが鎧姿ではない格好で出てくる。
そして紅葉を一目見ると真に対して膝を着く。
「そこの君……じゃないね似てるけど違う。感じる魔力からして片割れってところかしら?」
「よく、お分かりで」
「手伝ってくれる?」
「いえ私は主が危険に晒され、助けが必要が場合に助けるよう言われています。なので貴女の手伝いは出来ません」
アグリードから真に視線を移し目で「手伝えって言ってよ?!?!」と訴える。
真は気まずそうにしながら紅葉に訳を話す。
「モンスターを倒すと経験値が貰えます。それはどれだけモンスターにダメージを与えたかによって変動する事はご存知ですよね?」
「そりゃあね?」
「俺はアグリードに俺のレベル上げを手伝う様に頼んだんです。ただ瀕死のモンスターを連れてくるんじゃありません。モンスターの群れの中で俺の死角のの"目"にるだけでいいと言ったんです。そうすれば安全は確保できますから」
真に言葉に少し考え一応納得したのか深呼吸をする。
「ならゲートの中に入って君が倒せそうなモンスターは優先的に回す、それでレベルが上がって私と同じ位になればそこまでレベル上げる必要もなくなるから手伝ってくれる?アグリードさん?」
「………主が望むなら」
「よし、なら早速行こう。私達のこの会話も本来は無駄なんだから。芥、鹿島?貴方の飛び級でAランクに上がった力存分に発揮してモンスターを殺しなさい!」
「「はい!!」」
「モンスターの探知はアグリードに任せて下さい。それぐらいは個人的にオッケーです」
「少しガバガバな判定で助かるわ」
紅葉、アグリードを含めた5人は推定Sランクのダンジョンに脚を踏み入れた。
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