第10話獅堂とのダンジョン




今日は危なげなく学校に登校成功する事が出来たお陰か時間に余裕が出来ていた。


「獅堂〜ダンジョンに潜るならいつにする?」


「俺はいつでもいいけど時間ある時がいいから……やっぱ土曜日?日曜は月曜の準備あるし」


「やっぱ土曜日か。おけじゃあそれで行こう。なるべく動き易い格好で来いよ?」


「りょーかい!」


「お、何話したんだーー」


クラスの男子達がゾロゾロと入って来た。


「ん?あぁ土曜日に真とダンジョン潜る約束してたんだよ。ダンジョンでは真の方が先輩だからな」


「俺も連れてけーー!!」


「俺が独占しとんじゃーーー!」


みんなで騒ぎながら過ごしているとあっという間に授業時間になる


「席につけーー」


「「「うーーい」」」


「……真、昨日の事しっかり話してくれよ?」


(ゔっやっぱり忘れてるわけないか)







時間など簡単に過ぎていき

日はもう土曜日の朝になっている。


「おはよう〜」


「お兄ちゃんおはよう早く顔洗って洗って!獅堂さんとダンジョンに行くんでしょ?時間に間に合わくなっちゃうよ?」


「いや、時間には余裕があるよ」


真は時計を見る

時計の針は5:30を指し示していた。


「響さん?起きるのはやくない?」


「早く起き過ぎちゃったからねーー。運動としてウォーキングでもしようかと思って」


「元気ね〜」


響を少し茶化し洗面台に向かう。

そこで洗顔をする。

少し生えて来ていた髭の生毛処理を徹底しろと響から小言を貰ったため監査の元生毛処理をする


「お〜イケメンになったんじゃないお兄ちゃん〜。デルガさんとデートにでも行ったら〜ウリウリ」


「いたっ、おいやめろ!デルガは言ったろ悪魔で人間じゃないしそもそもそういう関係じゃない」


「じゃアグトさん」


「属性を腐らせないで?!?!」


響との漫才が終えると真はダンジョンに潜る為の装備を整える。

防刃耐性に優れた魔力を編み込んだシャツにズボン、パーカーを着る。


もっとしっかりとした装備があるかも思うかもしれないが割とこの形が1つの正解の形だったりした。

鎧などのゴテゴテした装備が普段と違う格好、慣れないせいで動きが鈍くやられてしまう事故ダンジョンが出来て初期の頃はよく起こっていた。


しかし魔力を繊維に編み込む技術が発達してからは普段の慣れた格好が鎧よりも頑丈で軽く動き易い物に変化した。

少しずつ値段も下がり今ではハンターではない一般人にも買えるほど安くなった。

それでも魔力が編み込まれていない服の倍はする。


玄関で服の応用で靴にも魔力を編み込んだスポーツシューズを履く。


「よし、行ってくる」


「大怪我しないでよーーー」


「デルガやアグリードもいるんだぞ?ただの怪我も残す方が難しい」


「全くそういう意味じゃ……まぁいいわ。いってらっしゃい」


「いってきーー」


靴紐を結びつま先をトントンと地面を軽く蹴る事で調整する。







真が初めて潜ったダンジョンは崩落して無くなってしまった為少し離れた比較的人がいる所に向かう。

そうすればもし事故が起きても助けを求めやすいからだ。

必ず助けてくれる人が見つかるわけではないが確率は上がる。


「獅堂、言った物持って来たか?」


「おう、基本中の基本の武器、潜る時間に合わせた携帯食料に水分。止血剤に包帯……ま、あとはかなり低級だがポ・ー・シ・ョ・ン・も奮発して買った!!」


「止血剤までは俺が言ったやつだけどポーションまで?そこまで気合い入ってるのか…そんなに?」


「おう!真には負けられないからな!!」


「じゃ目指せレベル10だな」


「20まで行ってやる!!」


「バカタレ」


2人は他のハンターと同時にダンジョンに潜る



ダンジョンゲートをくぐった先は少し神殿を思わせるような空間だった。


「すっげぇ……本当のダンジョンてこんな感じなんだ…」


「ダンジョンに本物もクソもないよ。大体のダンジョンは洞窟型だけどたま〜〜にこういう神殿系のダンジョンが出現するんだ。中の作りがしっかりしてるほどランクが高くなる、つまり中のつくりが雑なほどダンジョンのランクは低くなるんだ」


「じゃあレア装備なんて無理なのか?」


「所がどっこいこの神殿系ダンジョンは別名ボーナスダンジョンとも言われてるだ」


他のハンターと一緒になって面倒は起こしたくない真は歩きながら獅堂に説明をする。


「ボーナス?なんでだ?ランク低いんだろ?」


「その理由はモンスターから絶対アイテムがドロップするからなんだ」


「絶対?!嘘つけ!普通のダンジョンはドロップ率が10%以下だって聞いたぞ?!」


「だからボーナスダンジョンなんだよ。聞くより見る方が早いな。ちょうどいいモンスターが来た……」


空間から紫紺の短剣を取り出す。

アイテムボックスなどと呼ばれるこの能力はレベル10に到達した者全てが使える。

しかも魔力の消費は無かった。


人がいなくなって来て説明も終わるくらいに良いタイミングで若干デフォルメ化されたナイト型のモンスターが現れた。


「あれ?思ったより」


「よく見てろよ?俺もまだ1回しか潜ってなくて上手く説明出来るか分からないから」


疾走する。

真的にはそこまで本気で走った訳ではないがステータス差で獅堂には疾走するほど速く見えていた。


デフォルメナイトが剣を振りかぶると同時に高く斜めに跳ぶ。

剣が地面に勢いよく食い込み、必死に抜こうともがくデフォルメナイト、真はその隙に背後に回り兜と鎧の間に短剣を差し込み止めを刺す。

空気が抜ける音がして鎧を支えていた影が抜け落ちドロップ品だけ残して鎧も消え去った


「ゴブリンと同程度のデフォルメナイトなら多少ガバい動きをしても勝手に自滅してくれるから背後に回って止めを刺すだけでいい」


「生き物のじゃないから刺した時の不快感もない?」


「それが初心者には1番のメリットかな?」


ドロップ品の短剣を拾い獅堂に渡す。


「え、真が倒したんだから真が使えよ」


「俺にはこれがあるからな?」


紫紺の短剣を見せる。


「……そうだったな。じゃ有り難く使わせてもらう」


サバイバルナイフを仕舞い鞘付きの短剣を真から受け取る。

真が持つ紫紺の短剣と比べると低級もいい所だが初心者が持つ短剣としてはそこそこいい物だった。







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