第10話 想定外の事が起きたら、誰だって混乱するよね
「驚くのも無理はない。遙か遠い昔に死した私が、こうして再び、現世に蘇ったのだから」
ジャンヌはそう、穏やかな口調で告げた。
ふと、何かの気配を感じ取ったティオが、気配がした方向に顔を向ける。
「悪魔の気配だ」
にわかに険しくなった表情で呟いたティオに、私の目つきも険しくなる。
「それなら……変身しないとね」
自力で立った私は、首にぶら下げた金の十字架を手繰り寄せる。天に
「さぁ……どこからでも、かかってらっしゃい!」
黄金の剣となった十字架を携え、勇ましく私の両脇に立つシュオン、ティオとともに身構える。
どこからともなく姿を現した三体の下級悪魔が一斉に闇魔法を放つ。黒、赤、緑と三色の光線が前方から飛んでくる。瞬時に結界を張り、光線を防ごうとした時だった。
バリンッ!
なんと、どんなに強力な闇魔法でも忽ち
「……っ?」
予期せぬ事態に頭が追いつかず、三色の光線をまともに食らった私は立ったまま放心状態とかす。これは一体、どう言うことなのだろう……
予期せぬ事態に放心状態と化したのは、シュオン、ティオも同じだった。やがて、私の方に顔を向けて、呆気にとられていた二人が、はっと我に返る。
「美果子!大丈夫か?!」とシュオン。
「悪い!近くにいながら防ぎきれなかったぜ!」とティオ。
「はやり……か」
落胆したように呟いたジャンヌがすっと、私の面前に佇んだ。
「説明する前にまずは、この話からせねばならない。今から半年前……悪魔を封印する役目にある
私は
そして今、ようやっと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます