第2話・外食屋

「あの時死にかけていた子供はどうなった?」

外食屋で青年たちが話しのついでにこの間のことを言い始めていた。世界恐慌のカーウィストン対策についての討論会へ行くついでにたまたまあのホテルに滞在していた学生達だ。

「一命は取り留めたが危ういらしい。

この町に滞在している名医に会うためにわざわざ他の国から来ていたらしいぞ。

あの時はびっくりしたな。」

テーブルを囲んでいた別の青年が言った。

「ここだけの話医者はまだ母親に話してないが回復することは無理らしい。可哀想だがな。」



ホテルの中庭では老婆がボーイにこの間のことを話し掛けていた。

「あの時あそこへ座っていた感じの悪い少年。 ーいや、青年。 ー金髪の… 。あの子はどうしました?とても感じが悪かったわね。子供が死にかけているのに何も手伝いもしないで。」

話しかけられたボーイは笑って、

「あの子は名前をパリスといって紹介状をもって何かの仕事をしにこの町に来ていたらしいです。自分は薬草の力でどんな病気でも治療出来るんだと豪語してましたよ。もう別のアパートを見つけて出ていきました。」

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