第22話
気持ちの良い朝だ。
朝葉は朝食をとって、着替えをした。
「朝葉様、おはようございます」
「おはよう、トワロ」
トワロがバンガローに来た。
「今日は冒険者の館からの依頼で、爪モグラの退治に向かいたいと思うのですが」
「いいよ!」
「そろそろ、セリスさんも来るころだし」
朝葉がそう言うと、丁度ドアがノックされて元気な声が聞こえてきた。
「おはよう! 朝葉、トワロ」
「おはよう! セリスさん」
「今日は、ダンジョンの二階に行きます」
「はーい!」
朝葉達は、砂漠のダンジョンに向かった。
「冒険にも慣れてきたね」
朝葉がそう言うと、トワロは頷いてから言った。
「朝葉様、油断は禁物ですよ」
セリスが言った。
「今日は、何を作るの?」
「爪モグラのコンフィにしようと思う」
「へー。聞いたことのない料理だな」
「美味しいよ」
「朝葉様の作られる物は、今まですべて美味しかったですね」
「へへー。ありがと、トワロ」
そうこうしていると、ダンジョンの入り口についた。
朝葉が光の魔法を使い、ダンジョンの中を照らそうとすると、トワロが制止した。
「きょうはちゃんとランタンを持ってきています」
そう言って、トワロはランタンに火をともした。
ダンジョンの一階は、この前探索済みだ。
たいした敵もいなかった。
「あ、階段発見!」
「行きましょう」
トワロが先頭となって、ダンジョンの二階に入った。
すると、地面が盛り上がった。
「来ました! 爪モグラです!!」
爪モグラは1メートルくらいの大きさだった。
朝葉は剣で、爪モグラの爪を躱した。
「大きいね!」
「行きますよ」
トワロが風の魔法を唱える。
「かまいたち!!」
爪モグラの体に、切り傷がついた。
「よし、とどめ!」
セリスが爪モグラの眉間に銛を刺した。
爪モグラが倒れた。
「じゃあ、外に運び出して、解体するよ」
「はい、朝葉様」
三人は、爪モグラの死体を抱えてダンジョンを出た。
「解体のスキル、発動!」
朝葉はそう言って、するすると爪モグラの皮をはがし、肉と内蔵と爪を切り分けた。
そして、その爪と肉をカバンにしまった。
「じゃあ、冒険者の館に行こう!」
朝葉たちは冒険者の館に行った。
「おう、仕事が早いな」
シンは笑って賞金5000ギルを渡した。
「爪もぐらは何の料理にするんだ」
「コンフィだよ」
「また、余ったらもってこいよ」
シンはそう言うと、笑った。
朝葉達はバンガローに帰っていった。
「じゃあ、コンフィを作るよ」
そう言って朝葉は鍋に油を注いだ。
「コンフィは油で煮込んで作る料理なんだよ」
朝葉は、爪もぐらの肉に下味をつけ、油に沈めた。
2時間後、爪もぐらのコンフィが完成した。
「いただきます!」
「しっとりしててジューシーですね」
「美味しい」
トワロとセリスは嬉しそうだ。
朝葉も一口食べた。
「美味しい! 肉のうまみがつまってる!!」
朝葉は、パンを取り出すと、トワロとセリスにも配った。
「油も美味しいよ。パンをつけて食べてみて!」
トワロとセリスは言われたように、パンをコンフィにつけて食べた。
「これは、食が進みますね」
「そうだな」
こうして、今日も美味しい食事にありつけた三人だった。
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