第14話
「そういえば、最近王宮に顔を出してないけど大丈夫かな? 」
朝葉がそう言うとトワロは頷いた。
「そうですね、そろそろ顔をだしたほうが良いでしょう」
それを聞いてセリスが言った。
「なんか面白そうだね。あたしも行って良い? 」
三人は王宮に出向いた。
すると、待ちかねていた様に女王が現れた。
「朝葉様、丁度良い所にいらっしゃいました。」
「女王様、どうしたのですか?」
朝葉が訊ねると女王は難しい顔をしていった。
「森の奥の山に、コカトリスが現れたのです。」
「コカトリス?」
朝葉がトワロに聞くと、トワロが答えた。
「鳥の上半身に蛇の下半身を持ったドラゴンです」
朝葉はそれを聞くと目を輝かせた。
「鶏肉ってこと?」
トワロは怖い顔で言った。
「コカトリスの爪と尾には毒があって、引っかかれただけで石化します。」
「そうです。そのコカトリスを退治して頂きたいのですが・・・・・・」
女王の申し出にトワロは首を振った。
「まだ致しかねると思います。朝葉様はまだそのレベルにはないと思います」
朝葉は事の深刻さが分からないまま、明るい顔で頷いた。
「大丈夫ですよ! 今までだって楽勝だったし」
トワロが珍しく言葉を遮った。
「駄目です! コカトリスの強さは桁違いです!」
「とりあえず、様子見に行ってみるっていうのはどうだい?」
セリスがトワロと朝葉の間に割って入った。
「そうですね、トワロ。まだ、朝葉様には難しいかもしれませんね」
女王がそう言うと、朝葉が答えた。
「行ってみて、駄目そうだったら帰ってきます。」
「分かりました。くれぐれも無理はしないように」
女王が申し訳なさそうに頭を下げる。
「それじゃ、コカトリスのいる山までいってこよう!」
朝葉はまだコカトリスの恐ろしさが分かっていなかった。
トワロは不安な面持ちで、朝葉の後についていった。
セリスは二人の表情を見比べながら、女王に会釈して二人についていった。
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