第12話

森の奥の洞窟には、フルーツバットという巨大なこうもりが沢山いた。


トワロと朝葉、セリスは10匹くらいのフルーツバットを倒した。

朝葉の騎士レベルが上がった。

トワロとセリスが倒したフルーツバットを朝葉の元に集める。


「簡単だったね! 」

「そうですね、朝葉様」

そう言うと朝葉は解体のスキルを使って、フルーツバットを皮と肉と骨に分解し始めた。

そして、肉の塊だけを鞄に詰めると、家に帰っていった。


「さて、ハンバーグを作るよ」

朝葉はそう言って、街で手に入れていたパン粉と牛乳を取り出した。

肉を細かく叩いて、混ぜ合わせる。

小判型に固めて、焼き色をつけた後、小麦粉と牛乳で作ったベシャメルソースで残っていた野菜と一緒に煮込んだ。


「美味しそう」

セリスが匂いを嗅いでいった。

「そうですね」

トワロも最近は慣れてきたようだった。


朝葉はほどよく煮込まれたハンバーグ入りのホワイトシチューを三人分取り分けた。


「いただきます」

三人は、一口たべた。

「肉汁がしみ出して美味しい」

ハンバーグを食べたセリスが言う。

「お野菜も良い味してるよ」

朝葉もそう言って、パクパクと食べている。


「朝葉様、冒険者の館にも持って行きませんか? 」

トワロがそう言うと、朝葉は頷いた。

「そうだね、いっぱい作ったもんね」

朝葉は口の端にホワイトソースをつけながら返事をした。

「はい、王宮にも顔を出した方が良いですし」

トワロはそれをハンカチで拭って、朝葉に言った。


三人は食事を終えた。

朝葉とトワロは大きな寸胴鍋をもって、冒険者の館に出かけた。


冒険者の館につくと、シンに言われた。

「なあ、そろそろレストラン開店したらどうだい? 」

「はあ、レストランですか」

朝葉はボンヤリと答えた。

レストランを開店するとなると、料理だけじゃなく接客も必要になる。

「今は、まだいいかな? 」


シンはそれを聞いてため息をついた。

「最近俺の館は冒険者よりグルメに目覚めたお客が多くなっちまったんだよ」

「あはは」

「笑い事じゃねえよ」

「儲かっていればいいじゃないですか」


朝葉がそう言うとシンは黙った。

そのあと、こう言った。

「それはそうと、朝葉も冒険者としてレベルアップしていかないとまずいんじゃないか?」「はい、それは重要な問題なんです」

トワロが答える。


「それならさ、オオトカゲの卵を取りに行く依頼があるんだが、どうだい?」

シンはそう言って、依頼書をトワロと朝葉に見せた。

「いいですね。オオトカゲなら今の朝葉様に丁度いい敵ですね」

トワロはそう言うと朝葉は相変わらずの、一言を言った。

「美味しいのかな? 」


「オオトカゲも食べるつもりかい? 」

「一応、毒が無ければ」

朝葉の答えにシンは大笑いをした。


「それじゃ、この依頼は朝葉達に頼もう」

シンはそう言って依頼書を朝葉に渡した。

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