第6話
英雄職たちがダンジョンに潜って3日後。
英雄4人と御付の者たちは酷く疲れた顔をしていてた。
英雄4人は入浴を済ませ自室で休んでいる。
そして国王は英雄たちに付いて行った御付きの者に尋ねた。
「で、4人はどうであった?」
「4人共想像以上でした」
「それ程能力が高いのか!」
国王は喜色満面の笑みを浮かべる。
だが御付の者は反対に苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。
「想像以上に…使えません………」
「なっ!」
「ダンジョンは…2階層までしか行けませんでした……」
「予定では50階層を目指していたのではないのか!?2階層など初心の冒険者でもクリア出来るレベルどろうが!!」
「はい、その2階層までしか行けなかったのです……」
ギリィ、と国王が奥歯を噛み締める。
温和だった相貌が、鬼の様な怒りの形相を浮かべている。
「この召喚は失敗だ。やり直せ」
「ですが、今回の召喚でかなりの召喚士を集めるため金額を使いました。2度目ともなると…」
「魔族の土地で取れる鉱物で充分にお釣りが来るであろう?金の事は後で何とでもなる。それより確実に魔王を仕留められる者を召喚するのだ!」
「御意!」
(成程、魔王が侵略して来てる訳じゃなくて、その逆か。魔族の国の資源欲しさに魔王を倒せと。さて、どう身を振ろうか?)
謁見の間で行われた会話が、忍び込んでいた1匹の蛇を通じて《無職》の異界人に聞かれていたなどは誰も気付いていなかった。
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