第201話 西美濃四人衆

西美濃四人衆の安藤守就・氏家卜全・稲葉一鉄・不破光治が家臣になった。


北方城主・安藤守就あんどうもりなり53歳はブラックマンバの獣人だ。


初めは美濃国守護の土岐頼芸の家臣だったが、斎藤道三が美濃国を奪うと道三の家臣となり、斎藤道三の息子の義龍が争った時は、義龍に操られて義龍と共に道三を倒した。


ブラックマンバは大きい個体だと4mを超える、キングコブラについで世界で2番目に大きい毒ヘビだ。毒は非常に強く、量も多いうえ即効性で回りも早いので、血清があるにも拘らず致死率が高い。気性は荒く、専門家は世界で最も危険な毒ヘビとしてブラックマンバとタイパンをあげるほどだ。



大垣城主・氏家卜全44歳はオオアナコンダの獣人だ。


安藤守就と同じく土岐頼芸の家臣から斎藤道三の家臣となった。最盛期には美濃国の三分の一を領し、四人衆の中では最大の勢力を有している。


オオアナコンダは最大は9mにも達し、アミメニシキヘビとともに世界最大のヘビだ。最大の個体はワニやジャガーすら補食例があり、噛み付き大きい身体で絞め殺す。



曽根城主・稲葉一鉄41歳。キングコブラの獣人。


安藤守就と同じく土岐頼芸の家臣から斎藤道三の家臣となった。姉・深芳野は、最初は頼芸の側室であったが利政に譲られ、義龍を産んでいる事から、道三は義兄、義龍は甥にあたる。幼少時に崇福寺で僧侶となり、快川紹喜の下で学んでいた。


キングコブラは最大の個体が5mを超える世界最大の毒ヘビ。毒は神経毒で他のコブラより弱いが、身体が大きいのでひと噛みで注入される毒が圧倒的に多いので非常に危険だ。



西保城主・不破光治44歳。へび(ナイリクタイパン)の獣人だ。


早くから美濃国の斎藤道三に仕え西美濃四人衆の一人として活躍した。


ナイリクタイパンは全長3mを超える。陸上のヘビの中では世界で最も強力な毒を持つ。その毒の強さはキングコブラの50倍、ニホンマムシの800倍に達する。


西美濃四人衆は臣従の証として、息子を俺の近臣として欲しいと差し出した。人質と言うよりは情報収集と俺との結びつきを強くしたいのだろう。


下記四人が新しく近臣に加わった。父と同じ種族だ。


安藤守就の嫡男、安藤定治30歳。

氏家卜全の嫡男、氏家直昌24歳。

稲葉一鉄の庶長子、稲葉重通21歳。

不破光治の嫡男、不破直光26歳。


稲葉一鉄は嫡男の稲葉貞通の年齢が10歳と若いので庶長子の稲葉重通を差し出した。


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尾張国愛智郡下社城、西美濃侵攻前の事。


城主である柴田勝家は悩んでいた。


勝家は織田信秀が生きていた頃はいくさの主戦力として頼りにされて、その期待に応えて実績を積み重ね、織田家を支えて来たと言う自負がある。


信長の弟信行を担いで織田家の家督継承を目論んだが、それは許された筈だ。その結果として自領を安堵されて、今ここの下社城の城主として変わらずにいるのだ。


しかし、いくさでは自分の下にいたはずの前田家や佐々家、商人の生駒家、加藤家、内政外交の力は認めるがいくさでは自分より弱い平手政秀らが、郡統括として自分の上にいる。


自分はいくさ働きで活躍できる自信がある。しかし信長の家臣になってからは頼りにされない。頼りにされなくとも、いくさでは呼ばれると思っていたが、声も掛からない。


信長に臣従した今、裏切るつもりは毛頭ない。むしろ信長の為に戦い役に立ちたいのだが、活躍の場がない。


勝家の種族はオーガだ。その巨体と怪力で、単独で戦えば誰にも負けない自信もある。


勝家は思いきって相談しに行く事とした。直接の上司である愛智郡統括の加藤順盛は、武家商人である事から相談したくないので、春日井郡統括の織田信光の元へ相談に行くのであった。

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