第195話 墨俣城
ゴーレムを送還したゴーレム隊100人を連れて俺達は墨俣砦に入った。
砦内は既に制圧が完了しており、俺達を出迎えた。墨俣の砦には元々斎藤軍の兵士は100人もいなかったらしく、心配した通りで生き残りは少なかった。
生き残った兵士は生気の無い顔で、どこか怯えている。よっぽど怖い目にあったのだろう。
木下藤吉郎が取り敢えず「死ぬか家臣になるか」と聞いたら、間髪をいれず「家臣にしてください」と言ったので、藤吉郎の家臣にしておいた。
「藤吉郎、計画通りゴーレム隊50人と俺の手勢から千人残すので、ここを城にしてから追ってこい!」
俺はそう言うと、墨俣を後にした。
墨俣砦を更地にして、木下藤吉郎が築城する。既に作っている城のパーツを組み立てていくのだ。
パーツは猿飛佐助が異空間から順次取り出し、ゴーレムが重機の替わりにパーツを運ぶ。そして、木下藤吉郎の家臣である蜂須賀小六が手配し連れてきた、築城の人員が細かいところを調整していく。
あっと言う間に城の形が出来た。城と言っても砦に毛が生えた様な造りだが、この世界の城はその程度の物も多い。
墨俣城は居住空間より防衛重視の造りで、瞬く間に出来上がった。
「立派な城だ。藤吉郎も城主になったな」
小六が出来上がった墨俣城を見て感慨深げに言った。
「馬鹿言え、こんな城。嫁も住ませられん」
「居住空間に関しては、後日落ち着いてから拡張出来る様にしてるだろう」
「そんなことじゃねえ。俺はもっともっともっと立派な城を建ててやるんだ」
「じゃあ、もっと手柄を上げねえとな。すぐにでも、信長様を追いかけねえと。次の手柄がまってるぜ」
「違えねえ。さあ、行くぞぉ!」
「おうよ」
藤吉郎と小六は、藤吉郎の弟秀長と小六の弟又十郎と500人の兵を防衛の為に残して、信長の後を追った。
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俺達は十九条城跡地まで来ていた。
「今日はここで野営にするぞ」
十九条城はかつて美濃国守護の土岐頼純が川手城を防衛するために造った出城の一つで、斎藤道三が美濃国を支配し土岐氏が衰退したことに伴い不要となり廃城になっていた。
50人のゴーレム隊で、廃城になっていた城の城壁を改修したり、防衛設備を追加したりと防備のみ整え、後は野営の準備をして、こ日の作業を終える。
「後は藤吉郎が来てからだな。解散だ」
軍師や小姓達と分かれて妻達が残る。
「さあ、
鶴姫が高ぶった様子で俺の手首を掴んで野営のテントに
おっとぉ、強引だなぁ。
「ツルちゃんちょとぉ! まだ早いんじゃないの?」
「僕も、もう少し信長と一緒に居たいんだけどな」
帰蝶とゆずが抗議する。
「今日の夜伽はオタイの番やわ」
鶴姫は止まらない。
「それはアタイも分かってるけど、まだ明るいしさぁ」
帰蝶が鶴姫の前に来て押し留める。
「な、何回…、その……、する気なの?」
ゆずが駆け寄り恥ずかしそうに言う。
「何回かなんて知らんわ。気持ちが高ぶっておるから、早う行かせて」
鶴姫が帰蝶とゆずを押し退けて進む。
「はぁ、ゆずちゃん、諦めましょう」
「そうだね」
俺はそのままテントに連れていかれた。
夜伽については、ほぼ俺は意見しない。妻達にお任せなのだ。下手な事を言うと揉めそうだからだ。
テントに入ると鶴姫に押し倒された。
そして………。
今日は眠れるのかなぁ。ちょっと心配になってきた。
あ、はぅ……、おぉ……。
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