第186話 勘合貿易

今川義元から三河国を奪取し、岩倉織田家を倒して尾張国も統一した後、勘合貿易船の第二弾が出航した。


今度は大型の船が10隻の船団だ。3隻までの制限があったが、明の皇帝から隻数の制限を解除するから、その分倭寇を退治して欲しいと言われたからだ。


暫くは海戦はないだろうと判断し、前回の勘合貿易船が明に行ってる間に建造した、水軍用の船も投入した。


とは言っても、防衛の為1隻も無いのは不用心なので、2隻は水軍用に残していて、大船団で攻撃する為の水軍用の船は現在建造中だ。


今回の勘合貿易も正使は策彦周良さくげんしゅうりょうだ。待ってましたとばかりに喜々として受け入れた。


もう織田家の家臣に名を連ねても良いとまで言ってるので、沢彦宗恩たくげんそうおん快川紹喜かいせん じょうきと同様に召し抱える事とした。


副使も前回同様に沢彦宗恩たくげんそうおんとしたが、快川紹喜かいせんじょうきも明入したいと言いだした。


同じ臨済宗の禅僧同士で、歳も近い3人は仲が良いので、策彦周良さくげんしゅうりょう沢彦宗恩たくげんそうおんに明入の話を聞いて、明に行きたくなったのだろう。


気持ちは分かるし尊重したいとは思うのだが、悪魔払いの「怨敵退散」の経の調査はどうなった?


結局、明で悪魔払いの経を調べる事を条件に副使として同行を許した。


また、元倭寇達を倭寇退治と護衛の為に勘合貿易船に乗せようとしたのだが、勘合貿易の海外遠征中に、許一が新免無二の弟子になり、レベルアップもして強くなった事を、許二・許三・許四が面白く無かったらしく、ここに残ると言いだした。


それで許一が勘合貿易船に乗り許二・許三・許四が残る事となった。彼等とその配下は鶴姫の家臣になって水軍の一角を担って貰う。


許二・許三・許四は、レベルアップするのに何時でも俺と一緒に戦える様にと、清洲城に常駐してるんだが、コイツら黒い服で強面なので、ボディガードか暴○○の護衛っぽい。


許二はオニイトマキエイの魚人、許四はノコギリエイの魚人で鶴姫よりデカいし、許三はシビレエイの魚人だ。レベルアップしなくても充分強いんじゃないかと思うぐらいだ。


それから人魚2人は徐海と一緒に勘合貿易船に乗せる事が出来たので、ちょっと安心した。


彼女達は美しくて見ている分には、目の保養になって凄く良いのだが、煩いし邪魔だし役に立ってる気がしないのだ。


そして引き続き元倭寇達の監視及び統括として鐘捲自斎を派遣した。剣豪レベルじゃないと統制が取れないから仕方ない。いざというときに言う事聞かないと困るからね。



第一陣の勘合貿易で仕入れた物を売る為に伊藤屋・生駒家・加藤家の商人達は大忙しの様だが、大儲けしているので、嬉しい悲鳴を上げている。


その上、第二陣に載せる物資も予定より大幅増えたので、急いで調達した事で大変だったらしい。


そんなの知らんもんね。


更に奪取した三河国では、尾張同様に楽市楽座を推奨し、関所を廃止して街道整備も行っているので、商圏も拡がり益々大きく成長するだろうから、三河の街道整備と治水事業もお願いしておいた。


これで反松平で謀叛を起こしてくれた城主達も、少しは良く思ってくれるだろう。


なんて言ったって、松平元康達がいつの間にか仲間になってたからね。


三河の城主達にも、織田家の家臣になったメリットを享受させてやらないと、謀叛を起こされたら面倒だからね。

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