第168話 三河国攻略4

初めに出陣したのは伊達稙宗率いる『西三河南攻略軍』だ。


陣容は、大将の伊達稙宗に小梁川宗朝、小梁川宗秀も同行する下記の4500人。


鳴海城主内藤昌豊   800人

桜中村城主高坂昌信  500人

沓掛城主近藤景春   200人

大高城主水野為善   200人

緒川城主水野信元   500人

刈谷城主水野信近   300人

水野信元の臣下の豪族 500人

五器所城主佐久間盛重 500人

片原一色城主橋本一巴 500人

その他豪族      500人


そこに水野信元の家臣である三河国碧海郡にある牧内館主高木宣光が200人の兵と共に出迎えた。


「信元様、出陣をお待ちしていました」


「ご苦労、さあ共に進軍しよう」


三河国からは、尾張軍の侵攻を察知していた幡豆郡津平城主松井忠次以下3000人の軍が迎え討つ。松井忠次の軍は幡豆郡と碧海郡からかき集めた兵だ。


幡豆郡荒河の野寺原で対峙する両軍。


「ははは、久しぶりのいくさが赤子の手を捻る様で物足りないですな」

小梁川宗朝が伊達稙宗に言う。


「確かに。真田幸隆の調略が上手くいってれば、いくさにもなるまい。まあ、山本勘助の計略にそって進軍しよう」

伊達稙宗は敵の陣形を注視していた。


その時、敵の陣形が乱れ混乱し始めた。


「真田幸隆の調略が上手くいった様ですな」

と小梁川宗朝。


「うむ。出撃だ。太鼓を鳴らせ!」

太鼓の合図で伊達稙宗の『西三河南攻略軍』は敵に突撃した。


敵陣では予てから水野信元・真田幸隆の調略で内応を約束していた三河国碧海郡の城主達が味方であった三河軍を攻撃していた。


内応した城主は下記の通りで、三河軍は総崩れで退却。


桜井城主桜井松平信定 500人

知立城主永見貞英   200人

小川城主石川清兼   200人

上野城主酒井忠尚   200人


たちまち5800人に増えた軍勢は三河国南西の幡豆郡はずぐんに進み、進行方向にある城に進むと、大砲を撃ち城門と城壁を壊し降伏勧告を行う。


降伏するなら兵糧を持参し従軍させる。

降伏しない場合は蹂躙する。


そうして、幡豆郡はずぐんに到着。


三河国の今川軍は退却の知らせを聞いて、安祥城と岡崎城他周りの城から慌てて軍を派遣しようとするが、兵を集めるのに時間が掛かっていた。


幡豆郡はずぐんでは、真田幸隆・斯波義銀の調略により、今川義元に臣従していた三河国守護で東条城主吉良義安が挙兵した。


伊達稙宗は吉良義安と合流し、三河攻略の大義名分を得る。


吉良義安の挙兵と真田幸隆の予てからの調略で三河国中で反今川の城主達も挙兵した。


「東条松平忠茂が強敵と聞いていましたが、留守でしたね」

と小梁川宗秀。


「うむ。真田幸隆の調略で東三河の奥平貞勝が先行して挙兵したので、そちらに出撃した様だな」

と伊達稙宗。


「帰る地が攻略されてるのを知ったら、悔しいでしょうね」


「うむ。まあそうだな」


「こりゃ、楽勝ですな。進む度に降伏・恭順する城主が後をたたない」

小梁川宗秀は笑いながら伊達稙宗を見た。


「うむ。東条松平忠茂を挟撃するぞ」


伊達稙宗の軍は吉良義安を連れて東条松平忠茂を挟撃するため、額田郡東部に進路を変えた。


「くくく、いよいよ新型の鉄砲を試す時が来るな。腕が鳴るぞ」

片原一色城主橋本一巴はニヤリと笑う。


「儂の槍も活躍する時が来た」

五器所城主佐久間盛重は槍を掲げた。

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