第139話 平手政秀暗殺

信光叔父を助けてホッとしている。


惨劇のあった部屋は今片付け中なので、別の部屋に移り茶を飲んでいる俺と鶴姫と信光叔父。果心居士はあの後直ぐに消えた。


「もう、帰らんでか? さっきの続きをするっちゅうわけや」

耳元で鶴姫が囁く。


「ダメだよ。信光叔父と腹を割って話すチャンスなんだよ」

と鶴姫小声で返す。


信光叔父から色々聞かれて、今までの事を話した。信光叔父からは酒と新絹を扱いたいと切望された。信光叔父も兵農分離をして戦力を増強する資金が欲しいそうだ。


まあ、良いでしょう。元々那古野城では販売してるし、生駒家長に後で伝えよう。


何て会話をしていたら………。


「ほっほっほ、信長、まただ。結界に反応があった。今度は志賀城だ。」

急に果心居士が現れた。


「石川五右衛門に──」


「既に五右衛門には行かせた。ほっほっほ」


「信光叔父さん、それではまた」


俺達は慌ただしく立ち上がると志賀城に転移した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


志賀城に行くと。伊賀崎道順が平手政秀を庇い傷を負っていた。


平手政秀の前で片膝をつき血を流す伊賀崎道順。


道順に平手政秀の護衛を頼んでて良かった。


石川五右衛門は伊賀崎道順の前で女の姿をした何者かと向かい合っていた。


何者かは艶かしいスタイルで、何だか良い匂いもして、今にも魅いられそうなる。


「ダメや。オタイで我慢しまいで」

鶴姫が俺の手を自分の股間に持って行くと、パンティの中に手を誘う。


うは………。


「濡れてるよ」

小声で鶴姫に言う。


「オタイもあの匂いで感じてるで」

腰をくねらす鶴姫。


「キキキ、截教せっきょうの道士が何故ここにいる」

黒い影の女は長く鋭い爪を構えていた。


「ふん。お主こそ何故ここにいるでござるか」

五右衛門は左手の手の平を前に出して、右手に刀を握り身構える。


五右衛門の左手の周りの空間が歪み出した。


「ちっ、今日のところは引き上げるわ。キキキ」


女は影になり窓をすり抜けて、黒い鳥になると飛び上がった。


石川五右衛門は消えて窓の外に現れると鳥を追う。


俺は鶴姫のパンティから手を引き抜くと伊賀崎道順に向き合った。


「道順、政秀を助けてくれて有り難う。怪我の具合はどうだ?」


「軽くはなさそうです。修行が足りませんでした」


「いや、相手が悪すぎた。果心居士、道順を直ぐにゆずのところに運ぼう。政秀も怪我はないか?」


「はい。怪我はありません。この度は助けていただき有り難うございます」


「怪我なくて何よりだ。心配なので、政秀も一時清洲城に連れて行こう」


俺達は果心居士の転移で清洲城に戻ると、道順をゆずの元に連れて行き治療して貰った。


平手政秀は俺達と一緒にいる。


「さっきの続きをしようっちゅうわけや」

耳元で鶴姫が囁き、人のいない部屋に連れていかれる。


「何の続きかしら!」

帰蝶が俺の手首を掴む鶴姫の手首を掴んだ。


「ああ、見つかってしもた」

俺の手首を離し、残念そうな顔の鶴姫。


「もう、油断も隙もありゃしないわ」

帰蝶が俺の顔を両手で挟み、スプリットタンの長い舌を俺の口の中に入れてきた。


俺は反射的に舌を絡ませる。

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