第138話 織田信光暗殺

「信長、こっちに来とっていたぁね」

急に鶴姫に手首を捕まれた。


「ど、どうした?」

鶴姫は強引なところがある。


俺が帰蝶と一緒にいる時はそうでもないのだが、四六時中一緒にいる訳でもなく。


いない隙を狙う。


空いてる部屋に連れ込まれて壁ドンされた。


「え?」


顔を撫でられて首筋を舐められた。


「順番を守らないとまた帰蝶に怒られるぞ」

俺には否はないよ。エッチ好きだもん。


「このシチュエーションがええんだよね。ぞくぞくするけん」

舌を使った濃厚な口づけをしながら股間をまさぐり、俺の手を胸にいざなう。


はぅ………。

俺は反射・・で舌を絡める。


「硬くなってきたで」

耳を舐める鶴姫。


ふへ………。


その時。


「ほっほっほ、取り込み中すまんが、結界が反応した」

急に鶴姫の背中越しに果心居士が現れた。


「結界!!! どこだ?」

俺は鶴姫の横に移動し果心居士を見る。


「あら、ええトコで邪魔がはおるとは残念やわ」

鶴姫も後ろを振り返り気持ちを切り替えた。


「那古野城だ」


「信光叔父のところか! 急ごう」

那古野城の結界をそのままにして良かった。居城を移る前の守山城だったらアウトだったぞ。


「ほっほっほ、先行して佐助を転移させたが、急いだ方がいいな」


俺と果心居士と鶴姫は那古野城に転移した。


鶴姫も一緒? 大丈夫か?


腰を抜かして座り込んでいる信光叔父。

「ば、ばかな孫八郎がこんなに強いはずがない………」


信光叔父の家臣である坂井孫八郎が宙を舞い佐助と戦っていた。孫八郎の強膜きょうまく(白目)が赤く、角膜かくまく(黒目)が金色になっていた。


佐助が孫八郎の首を斬り落とした。切り離された部分から血が飛び散る。


しかし切り離された首が宙を飛び回り、胴体も起き上がった。


胴体が刀で佐助に斬り掛かり、首は口を大きく開き信光叔父に向かっていった


俺は信光叔父と首の間に割り込むと、果心居士が黒い炎で首を焼き尽くした。


首が消し炭になると胴体も動きを止めて倒れた。


「こいつは何だ?」


俺は果心居士聞くが、果心居士と猿飛佐助は無言で消し炭なった首を見ていた。まだ警戒している様だ。


暫くすると消し炭から黒い影が飛び出した。


「ケケケケ、失敗だ。また会おう」

影は天井に飛んで行き、天井をすり抜けた。


佐助も消える。


「ほっほっほ、追撃は佐助に任せたよ」


「今のは何だったんだ?」


「ほっほっほ、恐らく悪魔の使い魔だ」


「悪魔?」


「ほっほっほ、古より存在する超越的な悪。人を惑わし取りつき災害を起こす」


「そうか………」


「怖いやわ」

俺に抱き付く鶴姫が胸を擦り付け、俺の乳首をさする。


はぅ………、本当に怖がってる?


「の、信長! あ、有り難う」

信光叔父は何とか立ち上がり俺に礼を言う。


「信光叔父さんが無事で良かったよ。怪我はないかい?」


「怪我はない。しかしあんな奴らがこの世にいるとは信じられないな」


「うん。俺は天下布武を行い争いのない世にすると言ったよね」


「ああ」


「だから、奴らとも戦わないといけない。奴らが存在すれば争いのない世はこないからね。信光叔父さんも俺の天下布武に協力してくれると嬉しいな」


「ああ、力になれるか分からんが、出来る限りの力になろう。俺は既に信長の家臣だ」


俺は信光叔父と握手をした。


信光叔父が本当の意味で俺の家臣になってくれたと思う。

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