第131話 VS清洲織田家4
真田幸隆の離間策が上手くいって、尾張守護斯波義統と清洲織田家の守護代織田信友の関係は、険悪になっているらしい。
織田信友が明らかに今川義元と裏で手を組んでいるので、今川氏に恨みのある斯波義統が怒るのも無理はないけどね。
織田信友も守護を殺して、守護になりたいのだろう。
その中で内応している斯波義統の近臣が、斯波義統の息子である義銀を狩りに連れ出した。斯波義統の有力な武将を護衛に連れ出してだ。
この隙を織田信友は見逃すはずもなく、斯波義統を襲撃し殺害。息子義銀と近臣達は保護を求めて俺の元に逃げて来た。計画通りだ。
俺に大義名分を与えてしまった織田信友は警戒して兵を清洲城に集める。
そこで織田信光叔父も内応の誘い応じて、清洲城内に入った。
さあ、仕込みは全て終わった。後は刈り取りに行くだけだ。
その時、饗談から弟織田信行の重臣柴田勝家が出陣の準備をしてると情報が入る。
この時点で信行が俺を襲撃すると、守護に弓を引く事になり、守護の弔い合戦の邪魔をする事になる為、周囲から反感を買うので俺を襲撃する事はあり得ない。
山本勘助と真田幸隆の読みは、恐らくこのまま俺が守護の弔いの為、清洲織田家を倒すと織田家の城主達や、地方の豪族達が一斉に俺につく事を恐れて 清洲織田家を襲撃するのだろうとの事。
饗談の情報もその様な感じだった。
俺の考えも同じだ。
ふふふ、出陣の準備をしてる時点で既に遅れを取ってる事が分かってないな。
俺達は「常在戦場」が浸透しているし、信行の末森城から清洲城まで距離がある。
俺達が清洲織田家を倒し終わってから、のんびり到着するだろう。
「出陣だ!!!」
小姓達と猿飛佐助、石川五右衛門に伝令を頼み、俺は城外に出てニルを呼ぶ。帰蝶と鶴姫は俺について来た。
ニルと一緒にスレイプニル達が空を駈けて来た。吉乃がユニコーンに、生駒家長がスレイプニルに乗って一緒に来た。
俺達がスレイプニルに乗っていると城から武将達が駈けて来る。
俺がニルに乗って駆け出すと武将達もついて来て、城下に出ると既に兵達が待っていた。
「敵は清洲城にあり!!」
俺達は出撃した。
守護斯波義銀の近臣達も馬に乗ってついて来ていた。
清洲城までは歩いても2時間ぐらいだ。
清洲城に向かうと、那古野城の近くにある志賀城の平手政秀と合流した。
「いよいよですな」
平手政秀が闘志を燃やす。
荒子城の前田利春。比良城の佐々成宗、小折城の生駒家宗も大体同じ距離なので、清洲城前でみんなと合流した。
俺は常時出陣可能な800人の兵。与力達は兵農分離が進んで城の防衛を残して400人の兵を出陣させていた。
「くくく、天下布武の第一歩だな。さあ、ぶちかまそうぜ」
佐々成宗はうずうずしている。
「今度は一緒に戦えますね」
前田利春は一緒に戦える事が嬉しそうだ。
「これで尾張下四郡は手に入りますな」
生駒家宗は戦後の商売に思いを馳せる。
そこに熱田羽城の加藤順盛が遅れて、100人の兵を従えて合流した。
「生駒家に遅れは取れませんので、参戦させてください」
出動要請はしてないが、加藤弥三郎から連絡がいったのか? 兵農分離が進んでない熱田の地から100人出陣出来るのは凄いな。
必死さが嬉しい。加藤順盛も与力達と同じ扱いにしようと思う。
そして、清洲城に近い深田城の織田信次、松葉城の織田伊賀守も慌てて200の兵を連れて来た。
あっという間に総勢2900人の兵が揃った。内訳は以下に通りだ。
織田信長800人。
平手政秀400人。
佐々成宗400人。
前田利春400人。
生駒家宗400人。
加藤順盛100人。
織田信次200人。
織田伊賀守200人。
「敵は清洲織田家だ!! ぶちかますぜ! 出撃だあああああああ!!!」
「おおおおおおおおおおお!!」
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