第117話 天狗3
果心居士と猿飛佐助、石川五右衛門が転移でピストン輸送をして、スレイプニルに乗った家臣達を樹海に運んだ。
前回天狗達と戦った場所から少し離れた場所だ。
「全力全開だ! がんがん行くぜ!!!」
俺は前方に蟲達を召喚した。
俺の前には22匹の進化した蟲が並ぶ。
並んだのは、
その前に進化していない蟲が涌き出て来る。
「行けぇ!!! 蹂躙だぁ!!!」
俺が叫ぶと、飛べる蟲達は一斉に飛び上がり、飛べない蟲達は進む。
「ユニコーンは殺さないでねぇ! 捕獲よぉ!」
帰蝶が俺の後から叫ぶ。
「キチキチキチ、行って来るデス!」
22匹の進化した蟲達も出撃した。
「俺達も行くぞ!」
俺の家臣達は全員スレイプニルに乗っているので空を駆ける。
俺達は「天狗の住まう寺」に向かって一直線に突き進む。
蟲達に追われて、野生動物や野生のモンスターも「天狗の住まう寺」の方面に逃げ出した。最早これはスタンピード。狙った訳じゃないが、上々の滑り出しだな。
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扉を勢い良く開けて慌てて息を切らせて、小天狗が大天狗の部屋に入って来た。
「はぁ、はぁ、はぁ、大天狗様! この寺に向かって野生動物やモンスターどもが押し寄せて来たよー。スタンピードだよー」
小天狗が大天狗に報告する。
「はぁ、動物やモンスターごときに恐れてどうする! 烏天狗と狗賓を出撃させろぉ! 蹂躙だぁ!!!」
大天狗の号令で烏天狗と狗賓が出撃した。
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「がはは、暇だなぁ。全部蟲達が片付けちまう」
新免無二はスレイプニルの上で十手を
「おう、俺はそうでも無いぞ。鉄砲の良い練習になる」
杉谷善住坊は鉄砲を構えながら応える。
蟲達をすり抜け一匹の烏天狗がこちらに飛んで来た。
「あ、烏天狗を発見したわ」
吉乃が撃った鉄砲の弾が烏天狗の眉間を撃ち抜いた。
「またレベルが上がったぁ! もしかして直接殺した人に多くの経験値が貰えるかも」
吉乃は鉄砲に弾を装填しながら話す。
「あちゃ、それは言っちゃ駄目だよ。僕達がレベルを上げるチャンスなんだから」
ゆずも鉄砲を構えている。
「なにぃ! それを早く言え! こんなとこで呑気に会話してる暇はねえぜ。がはは」
新免無二はスレイプニルの腹を蹴って、前方に飛び出した。
スレイプニル乗って鉄砲を構えている杉谷善住坊と滝川一益は鉄砲のスペシャリストだ。
狙った獲物は百発百中で、経験値の事も何となく理解しているし、今回の出陣の趣旨も理解している。
だから、今回はゆずと吉乃に初弾を譲り、自分達は彼女達が仕損じた的を撃つ事にしていた。
彼女達がレベルアップ出来る様に考えているのだ。
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