第16話 フォレストウルフ
果心居士の魔法で、美濃朝倉氏の城下町の近くに転移して来た。
来たのは、俺と果心居士、諸岡一羽、林崎甚助の4人。
「ん? ほっほっほ、町から遠くの街道にフォレストウルフの群れが街道に向かってるのう」
果心居士が斜め上を見て呟く。
「馬車でも襲われてるのか?」
よくあるパターンだなぁ。
「ほっほっほ、そのようだのう」
「見に行くか」
「馬車が襲われているなら助けに行きましょう」
と諸岡一羽は優等生の発言。
「うむ、義を見てなさざるは勇なきなりと申すからな」
と林崎甚助も真面目だぞ。
「ほっほっほ、まあ、取り敢えず様子を見よう、行くぞ」
果心居士の転移の魔法が発動した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
フォレストウルフの群れは、馬車を遠巻きに取り囲もうとしていた。
「馬車には護衛もいるだろう。対処できそうならこのまま見てる。危なそうなら助けにいくか」
「承知しました」
「御意にござる」
「……」
諸岡一羽と林崎甚助が返事をするが、果心居士は黙って馬車を見ていた。
フォレストウルフが馬車に近付こうとした時、馬車から人影が飛び降りた。
馬車を飛び降りた男は腰の刀を抜き、近付こうとしたフォレストウルフを斬り殺し、更にフォレストウルフの群れの中で一番数が多い、後方目掛けて走り出す。
「がはは、掛かって来い!」
フォレストウルフは男に飛び掛かり噛み付こうとするが、男は最小限の動きで躱すとフォレストウルフの首を切り落とした。
「がはは、良いぞぉ! 来い来い!」
男は次から次へ襲い来るフォレストウルフを斬り殺していく。
強ぇえええ。あの男腕が立つぞ。
「やるでござるな」
「強いですねぇ。しかし馬車の護衛達は、回り込んだフォレストウルフを倒せない様ですね」
諸岡一羽は冷静にフォレストウルフと護衛達の戦いを見ている。
馬車から女の子が出てきた。
「あのオヤジ! あんなに強いなら馬車を守ってよぉ、あぁもう!」
と言いながら。フォレストウルフにナイフを投げる。フォレストウルフにナイフが刺さるが、致命傷にはならないみた──!
ナイフが刺さったフォレストウルフは暫くすると、よろよろとして倒れる。
……毒か。
あ、護衛の二人が傷を負って戦列を離れた。頃合いか?
「助けるぞ!」
「はい」
「御意」
俺と諸岡一羽、林崎甚助は馬車に駆け寄る。
「ほっほっほ、若者は元気があって良いな」
果心居士はゆっくり歩いて後ろからついて来る。
「助けは必要かあああ?!」
俺は走りながら叫ぶ。
「おお、助けてくれ! ……なに子供か、危ないぞ! 逃げろ!」
護衛の一人が俺達を見て叫ぶ。
「助けに来たぞ」
諸岡一羽が刀を抜いた。
「助太刀致す」
林崎甚助が腰の刀の柄に手をやり鯉口を切る。
俺が飛び込み、フォレストウルフを背後から切り殺して蹴飛ばす。
諸岡一羽がフォレストウルフを両断し、林崎甚助がフォレストウルフの脇を走り抜けると、フォレストウルフの首が落ちた。
俺と諸岡一羽、林崎甚助の3人は 馬車に襲い掛かっていたフォレストウルフを切り殺していく。
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