第8話 旦那をさらしものにした話

大分、間が空いたような気がしていたけれど、実のところ、せいぜい、三カ月程度だということに驚く。ただいま、5月末である。

 何があったのか?と、言われたら、もうとんでもなく、大変だったというしかないし、今でも大変だ。

 さて、書こう。

 3月頃、緊急事態宣言が一時的に解除された頃だったと思う。実家の両親が来た。そして、旦那の実家にて、話し合いが持たれることになった。話したところで変わらないだろうと義母らは言ったが、私にしてみれば、このクズをさらし者にすることが重要であったので、そこら辺はどうでもいい。

 実家の母としては、お金は返してほしい。やったものではない。そして、息子がいらないなどとどの口が言ったか! 何様か!? である。

 そして、実家の父はというと、これが冷静でして「子供たちにきちんとしてほしいことがあるなら、率先して自分が行い、そして、子供たちに言わねば説得力がない。そもそも、深夜までパソコンばかりして、ろくに家事に手を出さない男が子供らの信用や信頼を得ることができるわけないだろう。それを棚にあげて、怒鳴り散らせば嫌われるばかりで、威厳でもなんでもない」とのことであった。

 旦那は黙り込み、自分は悪くないという感じで、見事に貝になった。

 義両親と、ウチの両親との話し合いもぼちぼちあった。

 私としては「これが落ち着いたら、車の運転なども教習所へ通うおうと思っている。だから、お前など金を出さねばただのクズ。ゴミ以下。金がなければ、お前などととっくに縁は切っている」と叩きつけた。そして、先日、女性の離婚問題などに詳しい弁護士の無料相談で「家を自分のモノにするなら、即金で家の売値の半額(夫婦で半分にするため)を相手に渡さねばならない。家賃払えなど言語道断だ」という話も出した。旦那はとにかく、子供がいらないというならば、その養育費を満額払わねばならないし、私らがこの家に住むからといって家賃を全額取ることなど、法的にあり得ないということを叩きつけたわけである。

 話は長いばかり、会議は踊るというか、旦那が貝なのでしょうがない。

 けれども、さらしあげたことには意味がある。義実家の両親にも、ウチの両親にも旦那のクズっぷりを見てもらい、理解してもらう必要があった。

 何も決まらないまま、私と両親は自宅に戻り、何故か、旦那も戻ってきた。つまり、自分はこの家に住む権利があり、自分は悪くないということらしい。

 その後、たまたま、義実家に車を返しに行った旦那がすぐに戻ってこないので、なんとな~く義実家の方でなんかあったんだろうなとは思う。

 そして、次の日、義実家の両親が二人でやってきた。旦那は出勤していていなかった。

 離婚ではなく、とりあえずは別居でどうだろう? 息子はとりあえず、5月には実家へ必要なものを持って、こちらで引き取る。通帳もカードもそちらで持っていていただいて構わない。そこそこ詳細な家計簿をつけてもらい。まだ、やり直せる余地があったら、やり直せばいいし、ムリなら、離婚でいいと思う。

 だそうだ。

 そして、旦那が出て行くらしいことは判った。

 卒業、入学…旦那は息子の卒業式に来なかった。コロナということもあり、式に出席できるのは一人だけということだったけれど、大体の父親は外で待っていて、卒業式の看板の前で三人で写真を撮っていた。私と息子は二人で撮った。なんだか、申し訳なく、泣きそうになった。入学式も制限はなかったが、仕事があるとかで、ほぼ途中抜けをし、息子と私は二人で帰った。もうすでに義務というか、業務状態だった。

 本当に彼が出て行くのか、何も言い出さないので4月は針の筵だった。

 二階の旦那の自室は段ボール箱だらけで、なにがなんだかだし、そこら辺にいろんなものが散乱していた。私は耐えながら、ハムスターの部屋でずっとすごしていたように思う。実のところ、記憶がない。記憶がなくなるほどつらかったのだと思う。

 私はそれらの間、意味もなく、鳩尾が痛くなるという症状に悩まされた。胃薬も効かなければ、医者にも判らない。至って健康に、鳩尾がえぐられるように痛いのだ。仕方なく、藁をもつかむような気持ちで、漢方薬局へと飛び込んだ。聞くところによると、どうやら5年近く呑んでいる精神病の薬で内臓が疲れすぎているのではないかとのことだった。すぐにその薬を辞めるのではなく、半分ぐらいにして、この薬を飲みなさいと漢方薬を差し出された。困ったことにこの事件、覚えているのだけれど、いつごろだったか?については、あまり覚えていない。両親らとの話し合いの前だったのか、後だったのか…?多分、前かな?ぐらいでうろ覚えだ。こちらについては後々のまた面倒なことになるのだけれど。

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