第4話 『大丈夫』とは、なんだろう?
夜眠れないものだから、子供らを送り出した後、処々のことを終えて、ソファで倒れる。多分、これが彼の言うところの怠けているってことなんだろうな~なんて思いながら、何も食べずに寝る。水分だけは取る。珈琲、牛乳、スープなど。とにかく、娘が帰って来る時間頃まではお腹が空いても、本当に固形物が喉を通らない。やばいと思った。
調理をすることはできるのに、自分はそれが食べられないのだ。
そんな折、三日ほど娘が続けて学校へ行ってくれた。少しだけホッとした。三日ほどというのがどれだけ快挙かというと、三日で止まったが次の四日目が土曜日で休みなだけで、もしもこれが週初めであったら、このまま四日、五日と通常通り登校してくれるかもしれないというかなり大きな一歩であった。
その日の朝、実母に私は「毎日、お腹が痛いというのに登校させていて、日々、凄く申し訳ない気持ちになる。もしかしたら、本当にどこか悪かったらどうしよう。一応、にっちもさっちもいかなくなったら、保健医に相談しろとはいっているのだけれど」と言った。実母は肝が据わった人なので「それは学校に任せて良いから、気に病むな」と返事が返ってきた。それもそうだ。学校には大人がいっぱいいる。娘が校舎内で倒れでもしていたら、誰かが助けてくれるだろう。一つだけ肩の荷が下りた。
そのおかげか、二日ぶりに外に出ることができた。通院や買い出しなどの必要不可欠な用事以外で外に出たのは…多分、半月ぶりぐらいかもしれない。
馴染みのカフェに寄ると、たまたま、ハンドマッサージのイベントをしていた。通院ついでに体ほぐしという名のマッサージに近いことを受けていたので、贅沢かなとも思ったのだけれど、本能的にあらがえなかった。さほど、疲れてないだろうと思いつつ、お願いしたのだけれど、してくれた方曰く、神経が張りつめている。と、言われた。
彼がいるだけで私は緊張していて、彼が出勤し、子供も出て行くと、ぐったりする理由が判った気がした。そう言えば、先日の体ほぐしをしてくれた方にも、身体がなんだかどんよりしていると言われた。心と体、精神と肉体は表裏一体だと思い知った。
ここまでくると、結婚している意味とは? と、考えてしまう。家事への参加もなく、子育ての参加もしない。休日はパソコンの前から動かず、家族の顔を見るよりもスマホを見ている方が多い彼…それは必要なのか? ますます、いろいろ重なって来る。
実の両親から大丈夫かと聞かれるたびに、大丈夫と答えていたが、そろそろ、変えないといけない頃に差し掛かっているのかもしれない。
そして、緊急事態宣言が発令された。
悲しいことに、自宅と実家で、で、ある。
不要不急とはなんだろうと、動かなければいいのかもしれないけれど、これは動くべきことなのか…悩む。この週末、彼からどんな仕打ちを受けるのかと思うと怖い。
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