第11話 武将追加
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「だからどうして、こう強くなるんだろう」
翌朝。信長がまた勝手に武将を召喚。さらにどういうわけか若返り術まで自力で出来るようになっていて、そして、呼んだ武将は属性を付与されてレベルアップしている。その事実にサリエルは胃が痛い。
「なんで俺を呼んだ、小早川」
「それはもちろん。私が不在の間に毛利にちょっかいを出させないためですよ」
しかも異世界の事情が思い切り絡んでいる召喚相手だ。隆景と長宗我部元親はバチバチと火花を散らしながら睨み合っている。
そう、元親を召喚して東の防衛に当てようと考えたのは隆景だ。そして、それは四国での勢力を拡大し、いずれ
「いやあ、
一方、前田慶次は利家の甥っ子だ。こちらは友好的な関係のようだが、慶次は暴れたい放題だななんて言っているので、心配である。
そう、心配。とっても心配。
サリエルは生まれて初めて胃痛に悩まされている。
「ふふっ。どんな奴でも召喚できるなんて、素晴らしいな。この家臣団ならば、確実に日本でも天下を取れたはずだ」
でもって、その胃痛の種の信長は、椅子に踏ん反り返って座って、はははっと笑っている。
(何なんだよ、こいつ。本当に元は人間だったのか。実は悪魔だったんじゃないか)
サリエルはこそっと溜め息。
「織田が大将というのは、あっちでは納得出来ないが、この訳の解らん世界ならば納得しよう。というか、こんな場所があったことが驚きだ」
隆景と睨み合っていても仕方ないと思った元親が、悪魔姿になった信長を見てそう言う。
「ああ。俺も手違いでこいつの身体に宿ることがなければ知ることが出来なかった。そこのサリエルに感謝だな」
「ぐっ」
胃がしくしく痛む。サリエルは自らの失敗の大きさに押し潰されそうだ。
「やあ、我が息子よ。面白いことをしておるな」
大広間でわいわいがやがややっていたら、ここの主のベリアルがやって来た。それに武将たちは誰だとびっくりしたが
「ああ、そいつはこの身体の主の父親だ。ということで、俺のこの世界の父上になる。魔王の一人だ」
と信長が説明した。
「そのとおり。どうかこの世界を統一するため、力を貸して貰いたい」
「ははあ」
利家は信長とベリアルを見比べ、そう言えば顔が似てるなと思った。っていうか、父親なんていたのか。
「まずはそこの利家と慶次にアスタロトと戦って貰う。こちらの戦というのがまだ解っていないからな。兵を見せてやってほしい」
信長は丁度良かったとベリアルにそう頼む。まだこの魔界をよく解っていない状況だ。この父親を利用するのは重要である。
「いいだろう。現在の南方制圧を任せているザリチェの軍を紹介しよう。彼らとともに戦い、あのアスタロトに一泡吹かせてくれ」
ベリアルは頷くと、部下を呼んでザリチェたちに利家と慶次が行くことを伝えるように命じた。
「すぐに行っていいのか?」
「その前にこちらの武器を用意しよう。二人とも雷属性のようだからな。剣も特殊なものが使える」
逸る慶次に武器がいるだろうとベリアルは冷静だ。これも別の部下を呼んで、すぐに適した武器を用意するように命じるのだった。
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