第7話 幕間ノ章 狼かく語りき
何か一つ新しいもの。
成人の儀で踏み出した歩みは、何故か随分離れた地に訪れる事になった。
「しつけぇな……」
何か一つ新しいものを持ち帰ること。それが代々村で受け継がれてきた成人の儀。
新しければその種類も形も問わない。
大体はそれまで個人的に行ったこと無い狩り場の獲物だったりする。場所自体を発見したりする事もあるのだが、昨今では遠くに行かなければ難しく、その労力を割こうと思う者の方が珍しい。
(うぁあ、しつけーなホントに!)
現在、街の犬という犬に追われて屋根に逃げ延びたこの少年も、無論近場で済ませようとした今時の若者である。
(何でこんなことになるんだ?)
近場で済ませようとしたのである。当初は。
しかし、残念というか何と言うか。今年は、同輩が多かった。
具体的に言うなら五倍くらい。
いつもはせいぜい十人程度の成人が、五十人余りになった。
結果、どこ行っても他人と被る、遭遇する。
中には諦めていつもの狩り場で自己新記録の量を叩き出して、新しいものとする輩も出る始末。ちなみにそれは多分、捕りすぎだと怒られた上でやり直しさせられるだろう。
一度は諦めて怒られるの覚悟で、そうしようかとも考えたのだが。
(何でっ俺の時だけ!)
熊、大蛇、山神かと思う猪。どう考えても手に余るのと遭遇。
(場所を変えたら変えたで!)
土砂崩れ、落雷、河川の氾濫。
何か呪われてんじゃなかろうかという感じに災難に見舞われ、気付けば見知らぬ街。トドメはそこの犬総出で追い回されるとか。
「勘弁してくれ……」
俺が何したって言うんだよ……! と心の底から問いたい状況になるのも止むを得ない。
「はぁ……」
少年は自分の手足を見て、更に深い溜め息をついた。
わさっと。まるで獣のように銀色の毛に覆われた手足。鋭い爪は人間のものとは形も強度も段違いだ。
「靴脱げた……」
無我夢中で逃げていたが、今の姿を人に見られたら犬に追い掛けられるより宜しくない事態になるだろう事は、想像に難くない。
手足だけでなく、今の少年は顔も人のそれではなく、形で言えば狼のものに近い。人狼と呼ばれるものの姿だったのだから。
茜色の瞳が暗がりに一対見えるというのも、バリバリ恐怖を煽ってくれるだろう。
何度目かの深い溜め息をついた後、少年は追い立てる犬の声に腰をあげる。
「早く出るしかない……」
この街をさっさと出て、村の近くまで戻らなければ。
そう思い、街の出口方向へ一歩踏み出した……までは良かったのだが。
「う、わあぁぁ!」
ずるっと。夜露に濡れた屋根は嘲笑うかのように少年の足をとった。
ゴロゴロと毛玉のように転がる少年。
遥か東の昔話には、小麦に似たコメというものを炊いて作る握り飯という料理が転がって、ネズミの穴に落ち、そこからほのぼのとした展開になるものがあるらしい。
しかし、少年の先に待っているのは屋根の終わりであり、地面に待つのは吠え集う猛犬地獄である。同じ転がって落ちるにしても、やはり料理と狼では雲泥の差があるようだ。
(ふざ、けんなぁ!)
身体が宙に投げ出される刹那。少年は身を捩り、両手で屋根の縁にしがみつき、猛犬地獄への落下を防ぐ。
心なし、激しく吠えたてる猛犬達の声が盛大なブーイングに聞こえる。
とはいえ、何とか屋根の縁にしがみついてる状態であり、そう長くはもたない事は少年自身わかっていた。
(くそっ……!)
指はじわじわと縁から滑るし、爪を立てても逆に掴んだ縁がミシミシ音を立てる。そうこうしている内に、猛犬の吠える声に人が起きて明かりのつく気配がした。
(あそこに飛び移って……)
一か八か。細い通りを挟んだ向かいにある今掴まっている建物より低い二階建ての家、その屋根に出窓が見える。恐らく屋根裏部屋の窓だろう。
このままでは下に落ちて猛犬の餌食か、人に見つかって大騒ぎになるかの二択しかない。
少年は何とか体を支え、両足で壁を思いっきり蹴りつけ跳躍した。
跳躍の反動を利用して一回転し、目当ての出窓の屋根に手を掛けた瞬間、内側にその出窓が開いたのは、勿論予想外。
(は?)
吸い込まれるように出窓から室内に転がり込む。
「っ!」
途中、衝突しそうになった住人の頭というか、身体を反射的に抱え込んで、床に転がる。
(やば! 怪我っ)
抱え込んだから頭は打っていない筈だが、どこか怪我をさせていないかと、少年は慌て身を起こして腕の中に抱えた住人を見た。
まず目を引いたのは、濃い蜂蜜のような、黄昏に透かした樹液のような赤みのかかった腰までありそうな金髪。月明かりに浮かび上がる白い肌と、きょとんとした針葉樹の深緑を宿した瞳。
思わずその姿を見つめた少年だったが、状況を思い出して我に返る。
(って、待て待て待て!)
今の状況は宜しくない。何が宜しくないって、普通窓から入ってくるのはそれだけで不審者で、しかもこんな夜中。加えて、今現在の状態はその不審者がうら若き少女を抱き込んでいる。もうこの時点で色々アウトだが、床に映し出される少年の影は人間のそれではない。
まだ、人狼のまま。
(人間だってまずいのに最悪だっ)
少年と、抱えた少女の目が合う。
そして、少女がその唇を開き掛けた。
慌てるとろくなことにならない。それはわかっているし身にしみてもいるのだが、慌てるぐらいの事態だから慌てるわけで。
(あ、あぁぁ!)
咄嗟だった。考える暇もなかった。
少女の口を片手でふさいで、ぬいぐるみのように後ろから抱きしめるこの状態。どう見ても考えても不審者通り越して……。
(俺の馬鹿ぁあ!)
脳天から顔にかけて冷たい汗が一気に吹き出る。
さらに追い討ちを掛けるかのように、屋根裏部屋の戸をノックする音が。
終わった。色々な意味で。
手を離せば悲鳴。悲鳴が上がれば住人に囲まれる。
逃げても多分犬に追われ、それを追った街の住人に狩られる。
もう囲まれても逃げても狩られる未来しか見えない。
(死ぬ……)
火炙りか吊るし首か、斬首か。
じわりと涙が滲むし、身体が震える。
ほんの一瞬、少女を拐って逃げて、街を出るときに解放するという事も浮かんだが。
(いや、なら今いっそ手を離して、逃げる)
普通に考えて、今の抱えられている少女の方が怖い筈だ。
この上、拐われるなんて怖すぎる。
流石にこれ以上巻き込んではいけない。少女には何も非はない。
ごくっと息をのみ、少年は決意した。矢先。
「……」
トントン、と。少女の口を塞いだ手を、少女が指で叩いた。
心臓が止まりそうなほど驚いた少年だったが、少女と瞳があった瞬間、言いたい事を理解して別の意味で硬直する事になる。
(え……)
手、離して。
緑の瞳に恐れはなく。どころか若干呆れたようにさえ見える。
早く。そう言うように、更に指が手をつつく。
何か、悲鳴じゃなく溜め息をつきそうな表情にさえ見えた。
片や悲愴と絶望しかない感じで泣きそうな人狼と、片やその人狼に口塞がれてるのに呆れ顔の少女。完全に立場が逆である。
しかし、更なる予想外の事態はそこからも続いた。
「じゃ、おやすみ」
手を離した後、少女はまったく騒がずどころか安否を確かめに声を掛けた他の住人に何でもないと答え、先の言葉と共に筒状に丸めて縛った毛布を壁際で固まる少年の所に寄越し、何事も無かったかのように熟睡。
これには度肝を抜かれる以外術がなかった。
(嘘だろ……)
顎が落ちそうな衝撃を受けた為か否か。ほどなくして人間の姿に戻り、ミノムシのように毛布に包まって夜が明けそうな頃合いを見計らった。
少女が起き出す前にと、ひとまず毛布を畳み、来たときと同じように窓から出て屋根を渡る。
脱げた靴を探し、ボロボロのそれを広場の井戸水で洗う。
靴といってもほぼサンダルのような物で、紐等の部分をよく絞ればごく短時間で乾く。
(犬も居ないし……)
街を出るなら今だろう。
けれど。
(飯は貰ってないが……)
一宿の恩があの少女に出来た。
それはろくに眠れてなくても、たかだか数時間であろうと恩は恩だ。
(それに、怖い思いさせたし)
全然怖がって見えなかったが、それが虚勢でないとは言い切れない……筈。
「とりあえず、もう一度」
会いに行こう。少年はそう決めて、屋根伝いに歩いた街を今度こそ普通に歩き出す。
(結局、飯の恩もすぐ増えたけどな……)
人狼少年ことウェルは、何となく物悲し気に遠くを見て笑った。
(一宿一飯の恩と……)
本人は多分そう思って無いだろうが、当面の衣食住、さらに何故か成人儀礼のための知識、と。恩を返すどころか雪だるま式に恩が増えているのは何故だ。
あれから数日。あれよあれよと言う間に図書館の宿直になり、幻想化身という不思議な存在と、それを創り出す不思議な司書と共に図書館業務に明け暮れている。
(いや、迷宮広がってるし、その探索が業務に入ってるのもおかしいが)
とは言え、ウェル自身は地下に降りていく訳ではない。
ちらりと、黄昏を抜けた夕闇の小路、今さっき送り届けた恩人の家を振り返る。
短い間だが、ここまで過ごしてわかったことがあった。
(ほんと人を
頼れば良いと思うものでも、独りでどうにかしようとする。
(……要らん事は言うのに)
見た目と言動は飄々としているが、本心が見えない。
十中八九、人をからかって楽しむタイプにしか思えないし、本来ならば、
(はっきり言って、苦手なタイプなんだよな)
が、放っておくのも何か怖い。
怖いと言っても、危なっかしくて怖い方だ。
飄々としているのに危なっかしい。何だか奇妙な、真逆のような印象。
(だから気になる、んだ。多分)
家々の灯りが路に落ちて、街灯がまばらでも足元の心配はない。
ついこの前、ウェルを追い立てた犬達も今はどこに消えたのかと思うくらいだ。
(派手に騒いでたからな)
野犬として狩られたのは彼らの方だったのかも知れない。もしくは。
(あの魔女を怒らせるのだけは避けよう)
あの日。妹に狼藉を働いていたら銃をお見舞いする気だったと言われ、そもそも何故夜中に不法侵入したのかをウェルが話した後、彼女の顔に浮かんだ笑みは、犬に追い立てられるよりも怖かった。
何が怖いのかと聞かれてもはっきり言えないが、とにかく血も凍るという表現しか浮かばない程度には本能が危険を訴えていたのだ。
何気なく周囲を見たウェルは、前方に見えた人物に一瞬「げ……」と声をこぼしそうになった。
「あら」
美少女、天使と。メリーベルは言うが、確かに一般的に言っても容姿は良いのをウェルも否定はしないけれど、メルシー、メルと呼ばれるその少女からウェルは何故か天使と真逆の気配を感じていた。
「まだメリーをつけ回しているの? ストーカーさん」
笑顔だ。天使と評される笑顔で、この台詞。
「家まで送り届けただけだ」
「まあ……。メリーを襲う機会は多い方が良いと言うのね。流石真性の」
「おい」
心底怯えたような口調と、敵意満載の視線。何故こんなに嫌われたのかわからないが、とにかく嫌いオーラのみが向けられている。
「……なあ、聞きたいんだが。俺が何した?」
「あらやだ。存在してるじゃない」
「…………」
(ほう。存在している事が害だと言いたいわけか?)
ひくっとウェルの頬がひきつる。
「せめて目の前からは消えてくれないかしら?」
「何であいつはお前が天使なんだ。幻覚見てるのか」
秋、のはずである。
しかしながら、二人の周囲に渦巻き吹き荒ぶ風は極寒の体をなしていた。
不意にメルが笑う。それは今しがた浮かべていたウェル用のものではなく、苦笑混じりの、僅かに彼女自身が見えるものだった。
「天使なんて。そんな風に呼ぶのは、メリーだけよ」
苦笑。苦笑い、であるのに。
どこか満ち足りて嬉しそうな、そんな微笑。
けれど柔らかな表情は束の間で、メルは再びウェルに表面上は音がしそうな、裏は牙を隠す笑顔を向けた。
「あの子に何かしたり、危ない目に合わせたり、あまつさえ邪な目や考えを持ったら消すわよ?」
うふふ、と笑いながら言う内容じゃない。
「誰がそんなもん」
「節穴。あの子の価値がわからないのに側に居ないで欲しいわ。邪魔」
「それ、結局どれでも同じって言ってないか」
「そう聴こえるなら……いえ、そうね。同じ」
にっこりと笑って、メルはウェルを見る。
(こいつも……)
金髪の間から覗く空色の瞳は、何を考えているのかわからない。
それでも、違う。
「違う」
(女ってわかんねぇ)
難解過ぎる。
「あいつには恩がある。それを返すまで、俺はあいつから離れる気はない。……お前の思う価値はわからないけど」
「……いいわ。恩を感じるなら、その恩の価値があなたのメリーへの価値。それがわかっているなら、泣かしたりしない限りは多目にみてあげる」
物騒な天使は、そう言って初めて敵意のない笑みをウェルに向けた。
何でそこまで、とか。
裏表激しいけどあいつそれ知っててあれなのか? なんて、疑問は湧いてくるものの、ウェルはそれを口に出さない。
誰にだって踏み込んで良い境界線は決まっていて、少なくとも自分にこの少女が引く線は、本来の線より更に手前だと容易に想像できるから。
(そう。同じわかんねぇでも、こいつは想像できるんだけどな……)
我らが分館の館長にして恩人のあの
開けっ広げなようだが、踏み込めば最後、迷宮に直行しそうな気がするのは何故だろう。
メルと別れて再び帰路につく道すがら、ウェルはその方向へ突き進むと何だか怖いことになりそうで、半ば強制的に片付けた。曰く『女ってわからん』だった。
「ただいま」
帰りついた当面の住処、その扉を開けてウェルはそれぞれ過ごす幻想化身達に声を掛ける。
薄闇の中、きらりと光る一対の
「あ。ワンコ、ちゃんと
閲覧用のソファに腹這いで寝そべって本を読んでいたメーラが顔を上げ、
「お帰りなさい」
空の本棚をせっせと掃除していたパロマが手を止めて顔を出す。
「おかえり……」
ぼぅっと。奥からわざわざウェルの為にだろう、ランプを持って姿を現したセレーヤに、ちょっと悲鳴が零れる寸前になったりもしたわけだが。
「お帰りなさい。ウェルさん」
最後にキャロルがいつの間にか背後に立って声を掛けてきたのは本気で心臓止まるかと。
そんな諸々はあれど、帰宅の言葉に返事があるというのはそれだけで少なからず安心出来る。
「リヒターさんは?」
「マイマスターも今日はお帰りになりました。本館の準備もあるとの事で」
いつもはメリーベルを送って帰ってくるまで居てくれる人なのだが、そもそもあの人は街の本館で館長をしている。多忙な筈だ。
「了解」
「あ。ウェルさんに、マイマスターから鍵を預かっています」
「え」
無造作にポケットから取りだし差し出された一本の鍵に、ウェルは驚いて声を零した。
キャロルは不思議そうに首を傾げる。
「どうかなさいました?」
「いや、俺が持ってて良いのかな、と」
「問題ありません。マイマスターのご意志ですし、宿直の方が鍵を持たないのは逆に不便ではありませんか?」
鈍色の鍵を渡し、キャロルはにっこりと笑う。
「無くさないで下さいね」
「はい」
手の中に収まった小さな鍵に、何故か安心感と緊張感がない交ぜになる。
(何か紐あったかな)
後で紐に通して首にでも掛けておこう。
ウェルは自室となっている宿直部屋に戻って、メリーベルから出された課題を手に戻ってくる事にした。ところ。
「……何で居る」
「てへ。来ちゃった」
先程送り届けた筈の
「お前……」
俺が送り届けた意味は? ぷるぷる震えて叫びたいのを抑えるウェルに、流石にメリーベルも気まずいのか慌て来た訳をアピールする。
「ちょ、待って待って! 大丈夫。ちゃんと理由あるし、今日は泊まってくからもう一度送る必要無いし!」
「泊まっ……!」
それ問題だろう! と喉までせり上がった言葉はしかし、カウンターの上にデンと置かれたバスケットで封じ込まれた。
「てな訳で! ウェルの歓迎会始めます!」
「はあ?」
どういう訳だ。
「ほら、一応私ってここの館長なわけなのだよ!」
「知ってる」
「だから! ここの宿直要員であるウェルを歓迎するのは館長である私の役目!」
「……お、おう?」
「まぁ、ちょっと遅くなったけど」
本当は就任初日か次の日だよねー、と言いつつメリーベルはバスケットの中身を取り出していく。
「ミートローフにハーブ入りの麦パン、ミネストローネ、ホクホクのポテトサラダ、シナモンたっぷりのアップルパイ」
取り出される品々と、いつの間にかそれを取り分ける幻想化身達。
取り分けられたミートローフの皿をウェルに差し出しつつ、メリーベルは笑顔で言う。
「ようこそ、ウェル。歓迎するよ」
「あ、ああ」
その、笑顔が。
ウェルはぎこちなく返事をする。
「あらあら。マイマスターになんて言えば良いかしら」
くすくす笑ってキャロルが二人分のココアをカウンターに置き、対するメリーベルはいつものように、おどけるような笑みを浮かべ言う。
「ヒ・ミ・ツ、でお願い」
「まあ」
「まじめに言うと、調べものする時間が欲しいんだよね」
「家でもできるだろ?」
先程の笑みを頭から振り払おうと、ウェルはミートローフを頬張りながら、首を傾げた。
「うん。でも、ほぼ空棚でも
あと待遇、と茶化すためか一言付け加えられると、笑みをみてから続いていた動悸が若干減った気がする。
「それに、メーラやパロマ、セレーヤの本も、この際しっかりウェルに読んであげようかと」
「俺は幼児か!」
「いやいや、誤解だよウェル。ちゃんと『原作の方』を聴かせるから」
「何が違うんだ?」
「それは聴いてからのお楽しみ」
あ、何か嫌な予感がする。そう思うものの、企むように不敵な笑みを浮かべているメリーベルを見ると何故か安心する自分がいる事に、ウェルは薄々ながら気付いていた。
苦笑と共に若干視線を逸らし、ふと一つの疑問が頭を過る。
(でも、そう言えば何で……)
ここに来てから短期間で劇的に上がった読解力の成せる業か。
それは、聞いた時から引っ掛かっていた小さな他愛ないトゲ。
『あの時までは自分でどうにかできないかって思ってたんだ』
襲撃者の正体から事情までを聞いたのは、『あの後』だ。
―――― 何でリヒターさんの妹の事、知ってたんだ? と。
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