第3話君は強いね

「この世界がもしフィクションで物語だったのなら私の話はとにかくつまらないと思う」

と錦は言いました。

錦は幼馴染の女の子です。

「なんで?」

「だって私初志貫徹しているもの。そういうお話は迷いがあるからこそ面白いのであって芯がしっかりしていたんじゃあ、どこにも面白みはないわ」

錦は力強くそう言って上京して働くという夢を見事に叶えました。

それから何年かが過ぎて何かの機会で東京へ行く機会がありました。ビルが林立するハイテクジャングルには猿が多すぎて目眩を起こしてしまい、夜の間まで近くのカフェでぐったりとしてしまいました。

コーヒーは苦手なので、オレンジジュースにしとき、そのまま眠り込んでしまいました。

目を覚ました時にはもう夜になっていて急いでその場を去り、本来の目的であった場所に到着しました。

妖しい光が室内を照らし、酒池肉林が催されるそこでは錦がボロ雑巾のように薄い派手な服を着て働いていました。

僕は思います。

「堕ちた君は面白い」

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