劫火鉄装・零点放射・劫火砲

(注・後続作品のネタバレも含みます)


劫火鉄装ごうかてっそう

 劫火砲の威力を近接戦闘にのみ特化させた兵器群の総称。

 かつて魔法文明が絶頂期にあった時代に、新興の科学兵器を融合させて作られた術式兵器の大系。

 しかし幾つもの国を滅ぼす結果になった超一級危険兵器として多くの劫火鉄装は封印されることになる。地獄から現れた魔王を追い返すために作られたとも言われるが詳細は不明。

 構造としては無差別砲撃型兵器である劫火砲を近接戦闘のみに特化させたものである。零点放射の力をそのまま開放するだけの劫火砲とは違い、近接兵装として制御を加えているため劫火砲そのものよりは威力が落ちるが、それでもとてつもない災害級兵器であるのは間違いない。

 零点放射の力そのものも、自身の零点放射を抑える力場として使用している。元々がプラスとマイナスが消滅し合って無の空間の形成しているため、劫火の力そのものを対消滅に使う技術はそれほど難しくないらしい。

 劫火砲は世界創世対破壊級兵器として准えられるが、こちらはその一段階下の魔王級兵器としての異名を持つ。名称の一部である鉄装は、古来より人間は鉄を溶かして剣や槌や盾などの白兵戦用の武具を作ってきたことに由来する。

 形状としては基本的には飛行機械のような形の物が多く、劫火の力を纏う刃状の部分がかならず機体のどこかに存在する。他にも自身が巨大武器に変形するものなど様々な形態が存在する。

 運用の用法としては鉄装部分に劫火の熱を纏わせて振るい、その高熱であらゆるものを切り開く(熱で溶かす)。この鉄装の攻撃を受け止められるのは、同じ鉄装のみである。

 基本的には近接兵器であったが、この鉄装を高速で振り抜くことにより、纏った劫火の熱を火弾化させて近距離用の飛び道具にすることも可能である(鉄装部分から離れると急激に冷えて消滅するので長距離攻撃には使えない)

 ただ「熱」という火のカテゴリーに属するものに特化してしまったため「水」と言う絶対的な敵が存在することになってしまったのは否めない。

 終鐘戦役時にはエンドベルへの対抗兵器の一つとして多くの劫火鉄装の封印が解かれることになり、世界はさらに混沌となってしまう。


 現在では機械神と同じように過去の地層から発掘されたものが機械神の使役機として改装され運用されている。劫火鉄装の中でも単座戦闘機級の比較的小型の物が選ばれ、副座式の操縦施設を増設した改装を施して各機械神操士に提供されている。

 機械神よりも古い時代に作られたものであるので機械仕掛けの巨神も従うとされる。


【零点放射】

 真空と言う状態は「強力なプラスと強力なマイナスの力が拮抗して無を作り出している状態」であると言う理論。

 この真空に込められた力を完全に解放できたならば、黒き星の海の一角(銀河系と呼ばれる領域)を丸ごと消滅させることが出来るという凄まじい学術理論である。


【劫火砲】

 せっかく取り出す方法が発見できた零点放射の力をどんな形でもいいから具現化したいとして作られたもの。

 それこそ「黒き星の海の深遠部開拓の為に障害となる星を丸ごと除去する」といった用途ぐらいにしか使い道がないものである。

 当時の建造当初から劫火砲は、自分自身が生み出す力の殆どを自分自身の力の対消滅に使うように調整がされている。

 それでもとてつもない破壊力を示すものであり、もし制限リミッターが外れた状態で撃ち放った場合、それは最早、世界創世の為の破壊と同じことである。

 劫火砲に関しては機械神の八号機が装備していたと伝承に残るが、現在では八号機そのものは未だ発掘されていないらしい。


【世界創世対破壊級兵器】

 劫火砲のこと。「対」は「つい」と読む。

 通常は自身の破壊力の殆どが自身の力を抑え込む力として働くが、その制限が外れてしまった場合の災厄を考えれば、それは世界創世の為の破壊と同一である。

 水の巨人も終鐘戦役の時代まであった星の意思もある意味同種の存在であるが、関連性は不明。

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