五、火の話
突然だが、諸君に問題を出そう。喫煙に欠かせないものは何か?
いや、煙草ではない。いや、違う、確かに煙草は必要だが、今欲している解答はそうではない。もう一つあるだろう、ほら。
勇気?違う違う、考えすぎだ。そういった類の問ではないし、喫煙に勇気は必要ない。わかるだろう。ヒントが欲しいなら小題を見返すことだ。早くしてくれないか。
そう、「火」だ。(文章でシンキングタイムをどう表現するか苦心した結果、「シンキング行間」を採用した。)
気を取り直して、喫煙には「煙草」と煙草に火をつけるための「火」が必要である。火のないところに煙は立たず、火がないことには煙は吸えぬのだ。実は、この火にも色々種類がある。100円ライター、ジッポライター、マッチ、かえんほうしゃ、ヨガファイヤー等。私も前者の3つは喫煙に使ったことがある。そして後者の2つを使って喫煙するのが私のささやかな夢である。
その中でも、私が主に使うのはとあるジッポライターである。詳細は後述するが、これは大変思い入れの強い品であるため、かれこれ一年以上愛用している。格子模様と金属の重厚感がなんとも格好いい。火を消すときに蓋を閉じるのも、うら若き頃に使ったアルコールランプを彷彿とさせる。蓋を開閉するときの金属音も耳に心地良い。メンテナンスをすれば半永久的に使えるところも愛おしい。嗚呼素晴らしきジッポライター、、、。などと、己のもてる言葉を尽くして愛を語っていると、友人などからはよく煙たがられる。
なるほど、どうやら「火の話」からも煙は立つらしい。用心せねばなるまい。勿論、拍子木を打ちながら。
「カカンッ。火の用心!」
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