黒虎の王

Side・真子


 アバランシュ・ハウル、アイスクエイク・タイガー、フリーザス・タイガー、アイシクル・タイガーをアライアンスのみんなに任せ、私と大和君は真っすぐにスリュム・ロードに向かった。


「先手必勝!」


 大和君はアイスエッジ・ジャベリンを10本作り、スリュム・ロードに向かって全力で放つ。

 何度か見たことあるけど、ミスト・ソリューションは血液が固まらないようにする作用があるから、擦り傷や小さな切り傷ならともかく、四肢切断のような大きな傷には高い効果を発揮する。

 スリュム・ロードは10メートル近い巨体だし、自己治癒力も高いから、その小さな傷がどこまでを指すのか判断が難しいけど、瑠璃銀刀・薄緑で斬り付けた傷なら、それなりの効果はあると思う。


 だけどそのアイスエッジ・ジャベリンに向かって、スリュム・ロードは巨大な氷柱を放ち、全て迎撃してしまった。

 1本ぐらいは命中するかと思ってたけど、さすがは終焉種ってところね。


「1本ぐらいは当たるかと思ってたんだが、まさか全部撃ち落としてくるとはな……」

「本当にね。でも大和君、これはゲームじゃないんだから、油断だけはしないでよ?」

「分かってますよ!」


 大和君はヘリオスオーブに転移した事で、刻印術の腕もかなり上げていると思う。

 だけどオーク・エンペラーっていうオークの終焉種すら単独で倒してしまったそうだから、心のどこかで慢心している気もするし、魔物との戦いをゲームか何かと同じように考えている節もある。

 事実イスタント迷宮では、そんな気配が感じ取れたから。


 だから私が、自分の経験も話すことで忠告をしている。

 大和君にとってはお父さんとお母さんの話でもあるんだけど、どうやら詳しい話は聞いた事が無かったみたいで、すごく驚いていたわ。

 それ以来、いかに自分が魔物との戦いを軽く見ているかが理解できたみたいだから、心機一転して、どんな魔物が相手でも侮ったり油断したりすることは減っている。

 そんなすぐに考えが変えられる訳じゃないから、今はこれで良いと思うんだけど、さすがに相手が終焉種ともなると話は別になるわ。


「それじゃあ私は、積層結界を展開させるわ」

「お願いします。俺は接近しますから、多分そっちには制御を割けないと思うんで」

「ええ、援護は任せておいて」


 予定じゃ私と大和君が積層結界を展開させることになっていたんだけど、スリュム・ロードはアイスエッジ・ジャベリンを全て迎撃してしまったから、こちらも少し手を変える必要がある。

 だから私がアルフヘイムとヴィーナスの積層結界を展開させ、スリュム・ロードの風属性魔法ウインドマジックに干渉する事になった。

 だけどどこまで効果があるか分からないから、しっかりと観察しておかないと。


「そらっ!」


 牽制の意味も込めて、大和君がニードル・レインを発動させた。

 水や氷の針を雨のように降らせる広域系術式だだけど、風属性術式との相性も良いから、私の積層結界の中だと効果が上昇する。

 大和君はそのニードル・レインに合わせるようにアクセリングを使って、一気にスリュム・ロードとの間合いを詰め、薄緑を振るった。


「マジか!?っとぉ!」


 だけどその薄緑の一撃は、驚いたことにスリュム・ロードの爪に受け止められてしまった。

 接近を重視していたから一撃の威力はそこまでじゃないと思うけど、まさか爪で受け止めるとは思わなかったわ。

 その大和君に向かって、スリュム・ロードは受け止めた爪を振るってきた。

 間一髪で避けたけど、これは本当に油断できないわ。

 私は近接戦に自信がないから、スリュム・ロードに近付かれたりなんかしたら、ちょっとマズいかもしれない。


 ウイング・クレストに加入するに当たって、私は薄い桜色をしたクレスト・ディフェンダーコートと、魔扇ません瑠璃桜るりざくらと名付けた扇を製作してもらった。

 私のクレスト・ディフェンダーコートは、基本はみんなと同じだけど、全体的に着物っぽい感じに見えるように仕上げてもらっている。

 装甲は肩と腰回りに少々ってとこだけど、コートの下にはちゃんと瑠璃色銀ルリイロカネ製の胸当てとかを装備しているから、防御力は高いわよ。

 スリュム・ロード相手だと微妙だけど、これはどうにもならないのよね。


 そして魔扇・瑠璃桜は一対の扇なんだけど、盾としての機能も併せ持っている。

 骨子は瑠璃色銀ルリイロカネ、扇面はゴールド・ドラグーンの革を瑠璃色銀ルリイロカネに浸した物を張り、天樹の絵が描かれている。

 瑠璃色銀ルリイロカネ製だから打撃武器としても使えるし、扇の縁は刃物になってるから斬り裂くことにも使えるし、付与させた念動魔法で私の周囲に浮かべておくこともできるわ。

 それが左右で一対なんだけど、開いた扇の要を合わせることで盾にもなる。

 しかも結界魔法と騎士魔法オーダーズマジックシールディングが付与されてるから、防御力はかなり高いわ。

 さらに最大の特徴として、付与させた念動魔法と工芸魔法クラフターズマジックコネクティングを使って刻印法具に接続させられるから、斧に近い感じで使えるようにもなってるの。

 私の刻印法具は柄杓だから、純粋な攻撃力は低い。

 それを補うためでもあるんだけど、斧なんて使った事ないから、使う機会は少ないと思うけどね。

 でも完成してからマイライトに行って、ちゃんと試し切りはしてるわよ?


 その魔扇・瑠璃桜を使い、援護のために風性B級対象攻撃系術式ウイング・ラインを発動させ、スリュム・ロードの注意を引き、その隙に大和君は間合いを取って、再度薄緑で攻撃を仕掛けている。

 スリュム・ロードは10メートル以上ある巨体だけど、アクセリングを使った大和君のスピードにもついていけるみたいで、何度も爪で薄緑を受け止め続けるし、時折尻尾を使って攻撃してくるから、大和君も体勢を崩されかけることが少なくないし、少なくない傷も負わされている。

 もちろん大和君も、刻印術や固有魔法スキルマジックを使ってあの手この手を試しているけど、全て受け止める、あるいは避けられてしまっているから、少し焦ってきてる感じがするわ。


「大和!」


 そこにプリムが、熾炎の翼を全開にして飛び込んできた。

 どうやらアバランシュ・ハウルは倒したみたいね。

 でもプリムが攻撃に加わってくれれば、スリュム・ロードもさっきまでのように攻撃をいなし続ける事は出来ないはずだわ。

 その証拠に、スリュム・ロードは翼を広げ、宙に飛び上がっているから。


「プリムか!」

「見てたわ。あたしも加わるから、一気に押し返すわよ!」

「おう!」


 プリムが加わった事で、大和君の動きが変わった。

 プリムがフレア・ニードルで攻撃すると、大和君はそれを避けるスリュム・ロードにアイスエッジ・ジャベリンを見舞う。

 さすがに今度は避けきれなかったようで、何本かが胴体に突き刺さり、血しぶきを上げているけど、あの程度じゃ掠り傷に近いはず。

 今度は大和君が薄緑で斬りかかり、それを爪で受け止めると、対角線上からプリムがセラフィム・ペネトレイターで突っ込んできた。

 その一撃は薄緑を受け止めていた爪を、右前脚ごと完全に砕いている。

 あの2人のコンビネーションは、かなりのものね。

 私が見た中でも、10指に入るんじゃないかしら?

 評価が低い?

 仕方ないじゃない、もっと凄い連携を見た事も、一度や二度じゃないんだから。

 おっと、私も見てるだけにはいかないから、攻撃しないとね。

 それに出し惜しみしている場合でもないから、本気を出させてもらうわ。

 エアー・スピリットを手にしながら、私は右手の生刻印に魔力を込めて、私本来の刻印法具を生成した。


「グルガアアアッ!?」


 生成と同時に私が発動させたのは、土性B級対象攻撃系術式ダイヤモンド・スピア。

 ヘリオスオーブに転移し、エンシェントヒューマンに進化出来た事で、私は風と火だけじゃなく、土属性にも適正を得た。

 元々土属性は非適正属性だったんだけど、まさかこんな形で克服出来るとは思わなかったわ。

 だけどそのおかげで、苦手だった土属性術式も飛躍的に精度が向上したから、私にとっては凄くありがたい。

 炭素を圧縮し、高硬度の槍を生成するダイヤモンド・スピアは、単純な硬度だけなら瑠璃色銀ルリイロカネをも凌駕する。

 さらに私の魔力も加わるから、神金オリハルコンすら超えているかもしれない。

 そのダイヤモンド・スピアを、私は地面に激突したスリュム・ロードの翼を対象にして発動させた。

 左側の翼はダイヤモンド・スピアでズタズタになっているから、もう飛べないでしょうね。


「ま、真子さん、それは……!?」

「風車状生活型刻印法具スピリチュア・ヘキサ・ディッパーよ」

「生活型!?」


 生活型と設置型の刻印法具には、部分生成っていう特性がある。

 エアー・スピリットも、その特性で生成していたのよ。

 他にもヒート・スピリット、フリーズ・スピリット、ランド・スピリット、ディライト・スピリット、ナイト・スピリットがあって、それぞれ火、水、土、光、闇に特化しているから、状況によって使い分けることも出来るわ。


 スピリチュア・ヘキサ・ディッパーは、その柄杓を羽に見立てた風車になっている。

 柄杓だから水車っていう方が良いと思うんだけど、私の適正が風だから、これは風車ってことになってるの。

 完全生成したスピリチュア・ヘキサ・ディッパーは3メートル近い大きさになるから、とてもじゃないけど手で持つことはできない。

 だからってわけじゃないけど、私の背後に浮かんでいるのよ。

 さらに特性として、各スピリットの属性特化能力が余す所なく使えるから、スピリチュア・ヘキサ・ディッパーを完全生成した私は、疑似的とはいえ無属性を除く6属性への適性を持つことになる。

 もちろん元々の適正である風と、ヘリオスオーブに来てから得た火と土は、さらに威力が上昇しているから、この分だと切り札のS級術式も威力が上がってるでしょうね。


「グルルルゥ……!」

「翼を傷つけられた事で、相当怒ってるわね」

「ってことは真子さん狙いか」


 そう来るか。

 プリムのような翼族にとって、翼は命の次に大切な物だって聞いているし、誇りを持っているとも教えてもらった。

 翼は魔力で形成されているから、少々の傷はすぐに治せるし、必要なければ消す事もできるそうだけど、それは多分魔物であっても同じ事。

 だけど翼の魔力は、翼を形成していなければ使えない。

 その翼が傷つけられたという事は、自分の戦闘力の低下を招く事になりかねないから、スリュム・ロードは私を優先的に狙ってくるってことね。


「出来るものならやってみなさい。今から切り札を使うから、後はよろしく」

「了解」

「分かったわ」


 私はスピリチュア・ヘキサ・ディッパーを完全生成することで使えるようになる切り札の1つ、無性S級無系術式カラミティ・ヘキサグラムを発動させた。

 火、水、風、土、光、闇の6属性の六芒星がスリュム・ロードの足下に出現し、そのまま結界となる。

 結界の中は突然の光に覆われ、スリュム・ロードの視界を塞ぐ。

 身の危険を感じたのか、スリュム・ロードは傷付いた翼を広げ、飛び立とうとするけど、地面を大きく揺らす事でスリュム・ロードの動きを封じ、地面から離れないよう、氷の槍で四肢を貫く。

 結界内の酸素を燃焼させることで、集中力も奪う。

 集中力が途切れ始めたことで、スリュム・ロードの魔力強化が弱まり、そこに渦を巻いた風の槍が幾本も突き刺さる。

 それを合図に六芒星の頂点の星から、それぞれの属性の矢が放たれ、最後に巨大な槍がスリュム・ロードを貫く。

 ここまでやれば、普通なら終わりになるんだけど、さすが終焉種だけあって、スリュム・ロードはまだ生きている。


「大和!」

「ああ!行くぜっ!」


 大和君は新固有魔法スキルマジックグレイシャス・バンカーを、プリムも同じく新固有魔法スキルマジックセラフィム・ストライカーを、カラミティ・ヘキサグラムを受けて今にも倒れそうなスリュム・ロードに向かって放った。


 大和君のグレイシャス・バンカーは、ミスト・ソリューションとアイスミスト・エクスプロージョンっていうS級術式を発動させたマルチ・エッジを、巨大な氷の柱に埋め込んで放つ、ミサイルみたいな見た目の固有魔法スキルマジック

 命中すればアイスミスト・エクスプロージョンが発動し、体表に大きなダメージを与え、さらに追加でミスト・ソリューションが発動する。

 直撃のダメージも大きいけど、流れる血も止める事が出来なくなるから、継続的にダメージを与え続ける事も出来る。


 プリムのセラフィム・ストライカーは、体ごと突撃するセラフィム・ペネトレイターやフレア・ペネトレイターとは異なり、熾炎の槍のみを放つ魔法。

 貫通力はセラフィム・ペネトレイターに劣るけど、その分巨大な槍を形成しているから、巨大な魔物相手でも十分な効果が見込めるわ。


 そのグレイシャス・バンカーとセラフィム・ストライカーが、同時にスリュム・ロードに直撃した。

 グレイシャス・バンカーが命中と同時に大和君のS級術式が解放され、背中側から大きなダメージを与え続け、プリムのセラフィム・ストライカーはグレイシャス・バンカーの爆発に呼応するかのように勢いを増し、背中から胸を貫く。


 ゆっくりと倒れるスリュム・ロードだけど、その間際に、私と視線が交差した。

 気のせい?

 いえ、違うわね。


「まだ生きてるの!?」


 スリュム・ロードは私に視線を向け続けている。

 何か言いたげな顔をしているわね。


「追撃は待ってくれる?」

「え?」


 私は無造作に、スリュム・ロードに近付いた。


「ま、真子さん!危ないですよ!」

「大丈夫よ。放っておいても、このまま死ぬわ。だけど私に言いたい事があるみたいだから、ちょっとだけ時間を頂戴」

「言いたい事って……え?スリュム・ロードが?」


 大和君もプリムも驚いてるけど、私はそこまで驚いていない。

 何となくではあるけど、多分スリュム・ロードは、私に攻撃してくるようなことはないでしょう。


「来たわよ。遺言でも残したいの?」

「グルゥ……」

「え?」


 スリュム・ロードは視線で私を促すと、魔力の全てを腹部に集中させた。

 腹部?


「なるほど、そこにいる仔を私に託すと、そう言いたいのね?」


 大和君のグレイシャス・バンカー、プリムのセラフィム・ストライカー、そして私のカラミティ・ヘキサグラムを受けていながら、お腹の仔だけは守り切ったとは、本当に恐れ入ったわ。

 スリュム・ロードのことを狡猾だと予想していたけど、その予想も撤回しないとね。


 そうだ、というように小さな鳴き声を上げると、スリュム・ロードはそのまま息を引き取った。

 代わりに小さな、本当に小さな鳴き声が響いてきたから、私はスリュム・ロードの胎内から鳴き声を頼りに探し当て、無事に仔虎を取り上げた。


「真子さん、それは?」

「スリュム・ロードが私に託した仔よ。言いたい事はあると思うけど、誇り高き虎の王から託されたんだから、召喚契約を結ばせてもらうつもりよ」


 私が召喚魔法を使えることを知ってたかは分からないけど、この白い虎の仔は、私が責任をもって引き取るべきだと思う。


「真子のおかげで倒せたようなものなんだから、あたしは構わないわ。大和は?」

「俺も構わない。トラレンシアには面白い事じゃないかもしれないけど、そこは功労者って事で押し通せるだろう」


 それは確かにね。

 でもこの仔は生まれたばかりだし、アイシクル・タイガーと契約している人も何人かいるって話だから、出自さえ誤魔化せれば何とかなる気もするわ。


「まさかあたし達3人の切り札を受けても、子供を守り切るとはね。こればっかりは、素直に感心するしかないわ」

「同感だな」

「子供を守る事は、母親にとっては当然ってことでしょうね。やっぱりスリュム・ロードは、誇り高き虎の王と呼ぶべき存在だわ」

「同感。オーク・エンペラーやオーク・エンプレスを倒した事で、ちょっといい気になってたわね」

「だな。あいつらとは格が違った。しかも子供は守り切ったんだから、確かに真子さんの言う通り、誇り高き虎の王って呼ぶのが相応しいかもしれないな」


 それはあるかもね。

 でも大和君もプリムも、そのオーク・エンペラーやオーク・エンプレスの単独討伐を鼻にかけるでもなく、討伐そのものを隠し通す事を了承している。

 問題が出てくるのが分かり切ってたからっていう理由もあると思うけど、何より面倒事に巻き込まれるのを嫌ったっていう理由が大きい。

 でも今回は、どうやっても隠す事は出来ないから、その内オーク・エンペラーやオーク・エンプレス討伐も公表される事になるでしょうね。


「ンニャァ……」

「ああ、起きちゃったのね。私はあなたのお母さんを倒しちゃったけど、それでも私と召喚契約を結ぶ?」

「ンニャァン」


 私の腕の中には、成猫サイズの仔虎が収まっている。

 生まれたばかりだけど、多分普通に歩くぐらいはできると思う。

 スリュム・ロードの仔としては小さい気もするけど、これ以上大きくても私が困ったから、これはこれで良しとしましょう。

 その仔虎は、私に甘えるように顔を擦り付けている。

 契約したいってことで良いのかしらね。


「それじゃあ契約成立ね。あなたの名前は……女の子みたいだし、白雪にしましょう」

「ニャゥン!」


 気に入ってくれたみたいね。

 種族は……スノーミラージュ・タイガー?


「ねえ、スノーミラージュ・タイガーって知ってる?」

「はい?いえ、聞いたことないわよ?」

「俺も。まあヘリオスオーブの魔物全部を知ってる訳じゃないから、何とも言えないけど」

「そう」

「もしかしてその仔、スノーミラージュ・タイガーっていう種族なの?」

「そうみたいね。あ、でもその下にアイシクル・タイガーってあるから、進化したってことでいいのかしら?」


 魔物にもライブラリーはあって、召喚契約や従魔契約を結んだ人、もしくはコントラクティングっていう奏上魔法デヴォートマジックを使う事で確認出来る。

 契約を結んだばかりだから確認してみたんだけど、そうしたらスノーミラージュ・タイガーっていう種族の下にアイシクル・タイガーっていう表示があるから、進化したって考えてもいいはずよね?


「あー、進化してますね。ってことはこいつ、アイシクル・タイガーとして生まれてきてたのか」

「どういうこと?」

「魔物も進化することは知ってると思うけど、特殊な条件で契約を結ぶと、どうやら既存の種族とは別の種族に進化するみたいなのよ。あたし達が契約してるジェイドとフロライトも、そんな感じだし」


 そういえば2人が従魔契約をしているジェイドとフロライトもP-Rランクに進化していて、確かヒポグリフ・フィリウス、ヒポグリフ・フィリアっていう種族だって言ってたわね。

 ということは白雪も、ジェイドやフロライトと同じってことになるのか。

 そんな事になるとは、さすがに思わなかったわね。

 だけど当の白雪は、私の腕の中で気持ち良さそうにしている。

 進化がどうとかって言うより、この姿を見られただけでも十分かもしれないわ。

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